こんにちは。今回は、2023年6月に実施された電気料金の値上げについて、その背景と影響について解説したいと思います。
電気料金の値上げの主な原因は、燃料価格の高騰です。2022年には、ロシアのウクライナ侵攻や円安などの影響で、液化天然ガス（LNG）や石炭などの発電用燃料が大幅に値上がりしました。これにより、電力会社の燃料費が増加し、赤字が拡大しました。
電気料金は、使用量に応じて燃料費の変動分を反映する「燃料費調整」の仕組みがありますが、規制料金（経過措置料金）では、上限が設定されており、燃料費の高騰分を全て反映できませんでした。そのため、電力会社は規制料金の値上げを申請しました。
一方、自由料金では、燃料費調整の上限がないため、燃料費の高騰分を全て反映できました。しかし、その結果、自由料金は規制料金よりも高くなってしまいました。これは、電力自由化の目的と反する事態でした。
そこで、政府は、「電力・ガス取引監視等委員会」による厳格な審査を行った上で、規制料金の値上げを認可しました。しかし、値上げ幅は、申請された額より低く抑えられました。また、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」という補助制度も実施されました。これにより、規制料金は自由料金よりも安くなることが確保されました。
このように、電気料金の値上げは、世界的なエネルギー危機や市場変動に対応するために必要な措置でした。しかし、それでも家計や企業にとっては大きな負担です。そこで、私たち消費者もできるだけ節電や省エネを心がけることが大切です。また、電力会社や料金メニューを選択する際には、契約内容やサービス内容をよく確認することも必要です。
