岸田首相は日本経済に前向きな動きがあると語るが、実際には賃上げが物価上昇や負担増に追いついておらず、庶民の生活は苦しい。経済アナリストの佐藤健太氏は、所得格差や世代間格差が激しくなり、超弱肉強食時代が到来すると警鐘を鳴らす。この記事では、日本経済の賃上げと格差の現実について考える。
まず、賃上げについて見てみよう。今年の春闘では大企業を中心に高水準の賃上げ回答が見られた。岸田首相はこれを自らの経済政策の成果として強調するが、それは本当だろうか。実は、賃上げが実施されたものの、それを上回る物価上昇や負担増が国民に襲いかかっている。厚生労働省の統計によると、5月の実質賃金は前年同月比1.2％減となり、14カ月連続で減少している。つまり、物価上昇に賃金の伸びが追いついていない状況が1年以上も続いているということだ。これでは消費も増えない。総務省の統計によると、5月の家計調査でも実質消費支出は前年同月比4.0％のマイナスになっている。
次に、格差について見てみよう。日本の平均年収は443万円だが、これは大企業や正社員の高収入層が引き上げている数字であって、大半の庶民には実感が及ばない。佐藤氏は、「国民負担率も上昇しており、所得格差、世代間格差が激しくなっている」と指摘する。特に若者や女性は非正規雇用や低賃金で働くことが多く、将来的なキャリアや生活設計に不安を抱えている。また、コロナ禍で失業や休業に追い込まれた人も多く、社会保障制度や再就職支援などの対策が不十分だ。これらの問題は今後も深刻化する可能性が高く、超弱肉強食時代が到来するだろう。
日本経済は本当に前向きな動きを見せているのだろうか。岸田首相は自らの経済政策を自画自賛するが、それは一部の大企業や高収入層にしか恩恵が及ばないものではないか。庶民の生活を改善するためには、物価安定や負担軽減だけでなく、格差是正や社会保障の充実などの施策が必要だ。超弱肉強食時代にならないためには、政府は経済政策の見直しを急ぐべきだと思う。あなたはどう思いますか？
