今年の夏は異常な暑さが続いています。熱中症にならないためには、水分をこまめに摂取することが大切だとよく言われますが、それだけでは十分ではありません。実は、熱中症で救急搬送される人の多くは、水分をしっかり飲んでいるのだというのです。
熱中症とは、体が熱くなることで起きる体調不良のすべてを指します。体が熱くなる原因は、暑い気温や日差し、運動などがあります。体が熱くなると、汗をかいて体から水分が失われます。これが脱水症です。脱水症になると、舌や脇の下が乾燥したり、尿量が減ったりします。脱水症は熱中症の一部の症状であり、水分を補給することで改善できます。
しかし、水分だけでは解決できない問題もあります。それは、体の温度調節です。体は、血液の流れを通して体温を一定に保とうとします。暑いときは、血液を皮膚に近づけて放熱しようとします。寒いときは、血液を内臓に集めて保温しようとします。このようにして、体は自然に体温を調整しています。
しかし、暑さが長く続くと、この調節機能がうまく働かなくなります。血液が皮膚に近づけられても、放熱できないからです。その結果、体の中の温度が上昇し続けます。これが熱射病です。熱射病になると、けいれんや意識障害などの重篤な症状が現れます。水分を飲んでも、体の中の温度は下がりません。
では、どうすればいいのでしょうか？答えは、「体を冷やすこと」です。体を冷やす方法はいろいろありますが、一番手軽なのは氷嚢（ひょうのう）やタオルなどを使って首や脇の下などに冷たいものを当てることです。これらの部位には大きな血管が通っており、冷やすことで血液の温度を下げることができます。また、扇風機やエアコンなどで風を当てることも効果的です。ただし、冷房の設定温度は28度程度にしておきましょう。あまり低すぎると逆効果になります。
このようにして、「水分摂取」と「体を冷やすこと」を両方行うことで、熱中症対策を万全にすることができます。暑さに負けないようにしましょう！
