政府は来年秋に健康保険証をマイナンバーカードに一本化する方針だが、その必要性や利便性については不明確なまま、誤登録や暗証番号の管理などの問題が相次いでいる。高齢者施設などでは、暗証番号なしのマイナカード保険証を申請できるようにするという政府の対応にも疑問の声が上がっている。マイナカード保険証の導入は、本当に必要なのか、どんなメリットがあるのか、政府はしっかりと説明すべきだ。
この記事では、政府が推進するマイナカード保険証の一本化について、その背景や現状、問題点などを紹介しています。マイナカード保険証とは、マイナンバーカードに健康保険証の機能を付加したもので、来年秋から全国で導入される予定です。政府は、マイナカード保険証の利用を促進することで、行政手続きの効率化や医療費の適正化などを目指しています。
しかし、マイナカード保険証の導入には多くの課題があります。まず、マイナカード自体の普及率が低く、現在でも約3割しか交付されていません。また、マイナカードに別人の情報が紐付けられる誤登録や、個人情報の流出や悪用などのセキュリティ上のリスクも懸念されています。さらに、マイナカード取得には4ケタの暗証番号を設定する必要がありますが、これが高齢者や認知症患者などにとって大きな負担となっています。政府は暗証番号なしのマイナカード保険証を申請できるようにするという対策を打ち出しましたが、それではマイナカード保険証の意義や機能が失われてしまうという指摘もあります。
そもそも、マイナカード保険証に一本化する必要性やメリットは何なのでしょうか。政府は、マイナカード保険証を使えば、オンラインで行政手続きができたり、医療機関で顔写真を見せるだけで資格確認ができたりするという利便性をアピールしています。しかし、実際にはオンライン手続きに対応している自治体や医療機関は限られており、顔写真だけでは不正利用や偽造も防げないという問題もあります。また、現在の健康保険証でも十分に機能しているという声も多く聞かれます。
マイナカード保険証の一本化は、国民の利益や安全を考慮したものなのか、それとも政府の都合や目標に沿ったものなのか、疑問が残ります。政府は、マイナカード保険証の導入に向けて、国民に対して十分な説明や情報提供を行い、信頼を得ることができるのでしょうか。マイナカード保険証の一本化は、本当に必要なのか、どんなメリットがあるのか、政府はしっかりと答えてほしいと思います。
