子どもたちの国語力が危ない 〝ごんぎつね〟が読めない衝撃（週刊大阪日日新聞） - Yahoo!ニュース
こんにちは、国語教育に関心のある皆さん。今日は話題になっている本をご紹介したいと思います。それは、石井光太さんの「ルポ誰が国語力を殺すのか」（文藝春秋）です。この本は、子どもたちの国語力、特に読解力が低下している現実を取材したルポルタージュです。私はこの本を読んで衝撃を受けました。なぜなら、私たちが小学校で習った定番の童話「ごんぎつね」が、現代の子どもたちにはまったく理解できないという事実を知ったからです。
「ごんぎつね」という物語は、皆さんもご存知だと思いますが、いたずら好きで人に迷惑ばかりかけている子ギツネのごんが、ある日、兵十という少年が捕ったウナギや魚を逃がしてしまいます。そのウナギは兵十が病気の母親のために用意していたものでした。母親は亡くなってしまいます。それを知ったごんは後悔し、償いに兵十に贈り物を届けるようになります。しかし、兵十はごんの気持ちに気づかず、銃で撃ち殺してしまいます。兵十が近寄ってみると、そこには栗が置いてありました。「ごん、お前だったのか」と兵十は涙します。
この物語は、人間と動物の交流や葛藤、罪と罰、悲しみと許しというテーマを含んでいます。私たちはこの物語から、人間として持つべき感性や情緒を学んだと思います。しかし、この本によると、東京都内の小学4年生の授業では、「ごんぎつね」をとんでもない読み方をする子どもたちが多数いたそうです。例えば、「大きな鍋で何かがぐずぐず煮えていた」というくだりは、葬儀の参列者に食事を出す準備だということは明らかですが、「死んだお母さんを鍋に入れて消毒している」「昔は墓がなかったので、死んだ人を燃やす代わりにお湯で煮て骨にしている」という答えをする子どもたちがいたそうです。これは、文章の字面だけを読んで、行間や感情を読み取れないということを示しています。
このように、子どもたちの国語力は危機的な状況にあります。国語力は、すべての教科の土台であり、物事のポイントをつかむ読解力は社会で一番役立つ能力です。国語力が低下すると、他の教科の理解も困難になりますし、社会に出てからもコミュニケーションや判断力に影響します。では、なぜ国語力が低下しているのでしょうか。この本では、教育現場や家庭での問題点を指摘しています。例えば、教師が文章を読むときに声に出さないことや、子どもたちが読書をしないことなどです。また、テストや試験では、文章の内容や意味を問う問題よりも、文法や漢字などの形式的な問題が多く出題される傾向があるということも問題です。
私はこの本を読んで、国語教育について考えるきっかけになったと感じました。国語力は人間として大切な能力です。私たちはどうすれば子どもたちの国語力を高めることができるのでしょうか。教師や親として、子どもたちにどんな文章を読ませるべきなのでしょうか。子どもたちにどんな質問をするべきなのでしょうか。この本は、そうした問いに答えるヒントを与えてくれます。私はこの本を読んだ皆さんにも、国語力低下の危機について考えてみてほしいと思います。
