今年7月に開催される女子サッカーワールドカップ（W杯）は、日本代表「なでしこジャパン」が2011年に優勝した大会だ。1しかし、今回のW杯は日本国内での地上波のTV放送がなくなる可能性が高い。その理由は、国際サッカー連盟（FIFA）が放映権料を大幅に値上げしたことだ。
FIFAは、女子W杯の出場国が32ヵ国に増えたことや、欧州での人気が高まったことを背景に、放映権料を前回大会の４倍近い約154億円に設定した。3FIFAのインファンティーノ会長は、「女子W杯の安売りはしない」と強気の姿勢を示した。しかし、日本のTV局は、この金額に対して払える余裕がないと判断したようだ。
昨年12月にはNHKが地上波で生中継する方向で進められていたという話もあったが、それも白紙になったという。4JFA関係者も「NHKに決まりかけていた話は聞きました。5JFAとしても安堵していた」と語ったが、FIFA側が値下げ交渉に応じなかったために話が流れたとみられる。
一方で、なでしこジャパンの国内での人気は低迷している。昨年10月に行われた親善試合では、観客動員数が5000人にも満たなかった。サッカー担当記者は、「2011年は実力者やキャラが立つ選手がいましたが、残念ながら今のなでしこには皆無なんです」と指摘する。
女子サッカーは欧州では完全なメジャースポーツになったが、日本ではまだまだ認知度や注目度が低いのが現状だ。女子W杯で世界一に輝いたなでしこジャパンの活躍を見ることができるかどうかは、今後の交渉次第となる。
