埼玉県久喜市立鷲宮中学校では、今年5月から、生徒の集中度をリアルタイムで測るシステムが試験的に導入されています。このシステムは、生徒の手首に巻かれた脈拍計から集中度を割り出し、教師の端末にグラフで表示するものです。日本初の試みということです。
このシステムの目的は、教師が生徒の授業への関心や理解度を把握し、個別に支援したり、授業内容や方法を改善したりすることです。保護者には事前に説明し、了解を得ています。個人情報への配慮も行われています。
共同通信が取材したところによると、このシステムは効果があるようです。例えば、家庭科の授業では、生徒が自分で調べ物をする作業に入ると、集中度が全体的に上がったことが分かりました。また、作業を終えて手持ち無沙汰になった生徒の集中度が下がったことも検知され、教師が追加の課題を出すなどの対応ができました。
しかし、このシステムには懸念もあります。生徒の無意識の部分を見ることは、プライバシーや人権の侵害にならないか。教師や校長は子どもや教員の管理強化に利用しないか。そういった問題も考えなければなりません。
このシステムはまだ実験段階ですが、今後どのように発展していくのでしょうか。教育現場に革新をもたらす可能性もある一方で、倫理的な問題も抱える技術です。その使い方や効果に注目していきたいと思います。
