北海道幌加内町の朱鞠内湖近くで、興部町のアルバイト従業員西川俊宏さん（５４）がヒグマに襲われた可能性のある事故が発生しました。士別署は１７日、遺体の着衣から西川さんの免許証が見つかったと発表しました。同署は西川さんとみて身元の確認を進めています。
【写真】国道沿いの斜面に姿を見せた冬眠明けのヒグマ
西川さんは１４日から行方が分からなくなっており、同日午前１０時頃、同湖の釣り場の周辺で胴長靴をくわえたヒグマが目撃されていました。１５日に体長約１・５メートルのヒグマは駆除され、その胃から肉片や骨片など計９キロが確認されました。
この日ヒグマの駆除現場近くで発見された性別不明の遺体は頭部がなく、動物にかまれたり、爪で傷つけられたりしたような痕がありました。つなぎの胸のポケットから免許証のほか、現金の入った財布が見つかりました。遺体には土や砂がかけられていたという。周辺では頭部も見つかっています。
現場周辺では西川さんのものとみられる胴長靴やスマートフォンが入った肩掛けバッグ、釣り竿などが残されており、同署は西川さんがヒグマに襲われたとみて、事故の状況を調べています。
ヒグマは冬眠明けに食べ物を探して歩くことが多く、人間と遭遇する危険性も高まります。北海道・知床半島では国道沿いにも出没することがあります。ヒグマに遭遇した場合は、大声で注意を促したり、鈴や笛などで音を出したりして追い払うことが有効です。逃げることは逆効果です。
