現役ドラフトで巨人に移籍したオコエ瑠偉選手の思い
現役ドラフトから1年…当事者オコエの“本音” 変化した心境「いい終止符を打てる」(Full-Count) - Yahoo!ニュース
こんにちは、Full-Count編集部です。今回は、昨年オフに初めて行われた「現役ドラフト」で楽天から巨人に移籍したオコエ瑠偉外野手にインタビューしました。オコエ選手は、現役ドラフトという新しい制度に対してどう感じたのか、移籍1年目のシーズンを振り返り、今後の目標を語ってくれました。
現役ドラフトとは、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する制度で、日本野球機構とプロ野球選手会の数年に渡る話し合いの末に導入されました。全球団、必ず1人は獲得し、1人は放出するルールです。オコエ選手は、2015年ドラフト1位で楽天入りしましたが、1軍での出場は限られていました。高い身体能力を持ちながら、その才能を開花できなかったのです。
2022年12月9日。オコエ選手の携帯電話が鳴りました。4電話の主は、楽天の球団フロントでした。「現役ドラフトでジャイアンツから指名があった」という連絡でした。オコエ選手は、薄々、勘付いていたところがあったと言います。「ありがとうございます」と感謝を口にし、電話を切りました。
オコエ選手は、移籍で新たなチャンスをいただいたと前向きに捉えました。ジャイアンツには、いい選手がたくさん揃っています。その中で、もし、その競争で負けたとしても、野球人生にいい終止符を打てると思いました。12月14日の入団会見では「あとがない」と言って、気持ちを引き締めました。
移籍1年目の2023年。オープン戦で打率.310の好成績を残し、3月31日の中日戦(東京ドーム)では「1番・左翼」で自身4年ぶり開幕スタメンを勝ち取りました。41試合出場で打率.235、2本塁打、6打点、1盗塁。レギュラーに定着することはできませんでしたが、当時1軍監督だった原辰徳氏(現オーナー付特別顧問)からかけられた言葉が忘れられません。「『お前さん、目が変わったな』と言っていただきました。シーズン中も『どうだ?ジャイアンツは楽しいだろう?』と。『本当に楽しいです』と答えさせてもらいましたが、(2軍で燻っていることなど)色々と知っていた上で、声をかけていただいただろうなと思います」とオコエ選手は振り返ります。
第1回の現役ドラフトで移籍した12選手のうち半数が、このオフに戦力外を受けました。現役ドラフトは、厳しい現実と隣り合わせでもあります。「何となくプレーするより、移籍することでモチベーションを高く持つことができると思います。自分はジャイアンツに来たことで、あとは自分次第だと思いました。自分にとっては良かったです。ただ、他の選手は分かりません。戦力外通告を受けた選手を見ていると、移籍せずにやっていた方が良かった選手もいるかと思います。結局は人それぞれ。どんな感想を持ったのか、いつか他の現役ドラフトの選手に聞いてみたいです」とオコエ選手は語ります。
オコエ選手にとっては、プロ野球選手として生き返る、プラスの制度となりましたが、一方で、プロ生活の岐路に立たされる選手もいます。改めて、プロ野球界の厳しさを感じさせる制度と言えそうです。
オコエ選手は、来季に向けて「もっと打てるようになりたい。もっと走れるようになりたい。もっと守れるようになりたい。もっとチームに貢献できるようになりたい」と目標を掲げます。ジャイアンツでの2年目に、オコエ選手はどんなプレーを見せてくれるのでしょうか。期待したいと思います。