中国の不動産バブル崩壊するのか？人民に広がる悲観論（Wedge（ウェッジ）） - Yahoo!ニュース
こんにちは。今回は、最近話題になっている中国の不動産業界の危機についてお話ししたいと思います。中国では、政府の規制強化によって不動産価格が下落し、多くの不動産デベロッパーが資金繰りに苦しんでいます。その中でも、恒大集団や碧桂園などの大手デベロッパーが経営危機に陥っており、中国経済全体にも影響を及ぼす可能性があります。
まず、恒大集団と碧桂園とはどんな企業なのでしょうか。恒大集団は、中国最大級の不動産デベロッパーであり、住宅や商業施設だけでなく、サッカークラブや電気自動車など多岐にわたる事業を展開しています。碧桂園もまた、中国最大手の不動産デベロッパーであり、住宅や商業施設だけでなく、農業や教育など多岐にわたる事業を展開しています。両社ともに、中国経済成長期に急速に拡大し、世界的な名声と富を得ました。
しかし、2020年夏から政府は不動産市場の規制を強化し始めました。コロナ対策で行われた金融緩和によって不動産価格が急騰したためです。政府は、「三線一体」と呼ばれる3つの指標を設定しました。これは、不動産デベロッパーが借金・現金・資産の比率を一定以下に抑えなければ新たな融資を受けられないというものです。これによって、金を限界まで借りて土地を取得し経営を拡大してきた不動産デベロッパーには、大きな打撃となりました。
恒大集団は、2021年秋に経営危機が表面化しました。同社は、約300億ドルもの債務を抱えており、社債の利払いが滞り始めました。また、同社が発行した投資商品が詐欺として立件されるとの見方が広がりました。さらに、創業者の許家印氏が当局に拘束され、取り調べを受けていることが明らかとなりました。同社は、建設中の物件を完成させるために必死に資金を調達しようとしていますが、その見通しは不透明です。
碧桂園もまた、資金繰りに苦しんでいます。同社は、2021年上半期だけで1兆円以上もの赤字を計上しました。また、10月18日に期限の来た社債の利払いが確認されておらず、債務不履行となった可能性が高いと報じられました。同社のトップである楊恵妍氏は、26歳で中国長者番付1位になったスーパーリッチですが、株価はマイナス90％以上も下落し、プライベートジェットの売却にまで追い込まれたということです。
他にも資金繰りに苦しむ不動産デベロッパーは多く、年内にデフォルトに陥る可能性がある企業は65社に達すると言われています。不動産業界の混乱は、消費者や金融機関にも影響を及ぼしています。建設中止や返金要求などのトラブルが多発し、信用リスクが高まっています。不動産業界は中国経済の重要な柱であり、その危機は中国経済全体にも打撃を与える可能性があります。政府は不動産市場の安定化を図りつつ、過剰な投機やバブルを防ぐバランスを取らなければなりません。
中国の不動産業界の危機は、私たち日本人にとっても無関係ではありません。中国経済は日本経済に大きな影響を与えますし、中国人観光客や留学生も日本の消費や教育に貢献しています。中国の不動産業界がどうなるかは、私たちの生活や将来にも関わってくるでしょう。この問題を注視していきたいと思います。
