無断駐車は、駐車場を持つ店舗や住宅のオーナーにとって、大きな迷惑です。特に、駅や商店街など人通りの多い場所では、勝手に車をとめられることが頻繁にあります。そんな無断駐車に業を煮やした店主が、自らの車でルール破りの車を封鎖した写真が話題になっています。
この写真を投稿したのは、静岡県沼津市の井草呉服店3代目社長、井草雅彦さんです。井草さんの店はJR沼津駅に近い新仲見世商店街にあり、最大12台分の駐車場を持っています。しかし、この駐車場には何年も前から無断駐車の被害に悩まされてきました。井草さんは、警察に通報したり、看板を設置したり、注意メモを挟んだりするなどの対策をとってきましたが、効果はほとんどありませんでした。夜間に入り口にロープを張っても、それを切って出て行く人もいたそうです。
そこで井草さんは、ある日、無断駐車された緑色のフィットを自身の車で塞いでしまうという行動に出ました。そして、「弊社駐車場に無断駐車なさっている緑色のフィットの方、私帰りますのであとはよろしくお願いいたします」というメッセージとともに写真をX（現Twitter）に投稿しました。この投稿はたちまち拡散され、多くの反応を呼びました。
井草さんの行為には、「自分も経験ある」「よくやった」と賛同する人もいれば、「気持ちはわかるがSNSで晒さなくても」と批判する人もいました。また、「私的制裁に当たるので法的にまずいのでは」と心配する人もいました。井草さんは、「自分の名前を出している以上はそれなりの覚悟を持ってやっていますし、こうした批判が来るのも想定内。私の投稿が無断駐車の抑止力になるなら、それでいいと思っています」と言っています。
翌朝、無断駐車した緑フィットの所有者が近くの飲食店の店主に伴われて謝罪に来たそうです。所有者は外国の方で、看板のメッセージを理解していなかったということでした。井草さんは「初めてこの辺に来て何となくとめてしまう人や、看板のメッセージを理解していない外国の方などもいらっしゃいますが、今回のように別の車で塞いで様子を見ていると、自分の非を棚に上げて半ギレ状態で抗議してきた人も。特に無断駐車されることが多い一番奥の端は、本来は月極の契約車用スペースで、正規のルールに則って利用している人がとめられなるので本当に迷惑なんですよね…」と語っています。
無断駐車は、駐車場のオーナーだけでなく、正規に利用する人や周囲の人にも迷惑をかける行為です。井草さんの投稿は、無断駐車の問題を改めて考えさせられるものでした。駐車場を利用する際は、必ずルールを守り、他人の迷惑にならないようにしましょう。
