ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏が少年たちに性的虐待を繰り返していたという疑惑が、英BBCのドキュメンタリー番組や週刊文春などで次々と報じられています。被害者の一部は顔出しで告発し、喜多川氏の自宅で15～20回ほど虐待を受けたと証言しています。被害者は100人ほどに上るとも言われています。
この問題に対して、政府はこどもや若者の性被害防止に向けた緊急対策を打ち出しました。令和5年7月26日には、関係府省において、「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」を取りまとめました。このパッケージには以下のような内容が含まれています。
男性向けの性被害相談窓口の新設
「生命（いのち）の安全教育」の全国展開
性暴力被害者支援センター（ワンストップ支援センター）の整備
性暴力被害者への医療費助成制度の拡充
性暴力被害者への法的支援制度の創設
性暴力被害者への就労支援制度の創設
性暴力被害者への学校復帰支援制度の創設
性暴力被害者への心理的負担軽減策の検討
性暴力被害者への情報提供や啓発活動の強化
政府は、このパッケージをもとに、関係府省や地方自治体、民間団体などと連携して、こどもや若者が性的搾取や性暴力から守られる社会を目指すとしています。
ジャニー喜多川氏の性加害問題は、日本社会における性犯罪・性暴力対策の課題を浮き彫りにしました。政府だけでなく、メディアや教育機関、家庭や地域など、社会全体でこの問題に向き合い、被害者を支援し、加害を防止する取組を進める必要があります。
