yahooアクセスランキング記事を要約する blog

ヤフーニュースのアクセスランキング記事を要約するブログです。

ジャニーズ性加害とメディアの沈黙――NHKが自己検証に踏み出した意義

スポンサーリンク

スポンサーや事務所への配慮で「ジャニーズは触れないということですよ」…NHK「クロ現」が“テレビの沈黙”を検証(文春オンライン) - Yahoo!ニュース

こんにちは。今回は、ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川氏による性加害問題と、それに対するメディアの報道姿勢について考えてみたいと思います。

ジャニー喜多川氏の性加害問題は、1999年から2000年にかけて、週刊文春がキャンペーン報道を展開し、被害者の証言や写真などを掲載しました。ジャニーズ事務所などが文芸春秋を訴えた裁判では、2003年に東京高裁が「セクハラ」に関する記事の重要部分を真実と認める判決を出し、2004年に最高裁で確定しました。

しかし、この問題について、テレビや新聞などのメディアは、ほとんど報じませんでした。判決を報じたとしても、小さな扱いで、実態を独自に取材して報じたという回答はありませんでした。ジャニーズ事務所の影響力や圧力、タレントとの関係性などに配慮しすぎた結果、メディアは沈黙を守ってしまったのです。

このメディアの沈黙は、被害者の声を無視し、加害を放置・拡大させたと批判されています。ジャニー喜多川氏の性加害は、最高裁判決以降も続いたとみられ、多くの被害者が苦しみを抱えています。今年3月には、英BBCが性加害問題についてのドキュメンタリーを放映し、4月には元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが会見で被害を訴えました。これを機に、メディアもようやく報じ始めましたが、それまでの沈黙は許されないものです。

メディアは、公益のため、公共の電波を使用する特別の権利を付与された存在です。そのようなメディアが、性暴力という重大な人権侵害に対して、責任追及や社会問題化を怠ったことは、あまりにも重大な責任です。メディアは、自らの報道姿勢を検証し、反省し、改善する必要があります。

そうした中で、NHKは、9月11日に放送した「クローズアップ現代」で、自らの報道姿勢を検証し、責任を問うた番組を作りました。当時、NHKや民放で報道や芸能の責任ある立場にいた人たちを取材し、なぜ報じなかったのか、どんな判断をしたのか、どんな力関係があったのかなどを明らかにしました。これは、メディアが外から迫られるのではなく、自主的に検証に取り組んだ画期的な取り組みだと評価できます。

もちろん、NHKだけでなく、他のメディアも自己検証をすべきです。性暴力は「魂の殺人」とも呼ばれ、被害者のその後の人生に大きな傷痕を残します。メディアは、被害者の声に耳を傾け、加害者に厳しく追及し、社会に問題意識を喚起する役割を果たすべきです。ジャニーズ性加害問題は、メディアがその役割を果たせなかったことを反省する契機となるべきです。