要約: この記事は、大平一枝さんのエッセイ『それでも食べて、生きてゆく 東京の台所』の一部を抜粋したものである。 本書は、10年間にわたって取材した東京のさまざまな台所の物語をまとめたもので、喪失と再生がテーマだ。 この中編では、事実婚19年目にして入籍した夫婦が、ステージ4の進行癌と診断された夫の闘病生活を描いている。 会社の健康診断で癌が見つかった夫は、手術や放射線治療を受けながらも職場に復帰し、コロナ禍の中で限られた時間を妻と過ごす。 妻は仕事をやめて夫に付き添い、彼のために料理を作り続ける。 しかし、癌は小さな星のように体中に散らばり、治る見込みはないと医師から告げられる。1 夫婦は余命を聞かずに、先のことを考えずに、今を生きようとする。
事実婚から入籍した夫婦の切ない闘病記
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