東京・大田区で中学1年生の男子生徒が刺された事件について、詳しい経緯が明らかになってきました。
刺したとして傷害の現行犯で逮捕されたのは、山下泰範容疑者（61）です。警視庁の調べによると、山下容疑者は被害者の父親が勤める店の常連客で、カスタマーハラスメントを繰り返していたということです。
事件は10日午前8時すぎ、大田区西蒲田で起きました。通学途中だった中学1年の男子生徒が、山下容疑者に包丁で刺されました。男子生徒は病院に搬送されましたが、意識はあり、命に別条はないということです 。
山下容疑者は現場から逃走しましたが、近くで警察に取り押さえられました。警視庁は殺人未遂の疑いで捜査しています。
被害者の父親は、近くにある高級ブランド品を扱う店で働いています。山下容疑者はこの店の客で、数年前から毎日のように来店していたといいます。
しかし、山下容疑者は高額な商品を買った後も、店員に対して暴言や嫌がらせを行っていたということです。被害者の父親もその対象になっていたとみられます。
警視庁は、山下容疑者が被害者の父親への恨みから、息子を狙った可能性が高いとみています。山下容疑者は「わたしがやったことに間違いありません」と供述していますが、「なぜ刺したか」など詳しい動機については明かしていません。
カスタマーハラスメントとは、客が店員やサービス提供者に対して不当な要求や暴言などを行うことです。
近年では、コロナ禍でストレスが溜まったり、感染防止策に不満を持ったりする人が増えており、カスハラの被害も増加傾向にあると言われています。
カスハラを受けた場合、店側は法的な対応や警察への相談などを検討する必要があります。また、カスハラを行う人は自分の行動が相手に与える影響や法的なリスクを考えるべきです。
