“朗希ドラフト”から4年…1位指名で初の戦力外 3球団競合の末、分かれた明暗（Full-Count） - Yahoo!ニュース
2019年のドラフト会議でソフトバンクから1位指名を受けた佐藤直樹外野手が、わずか4年で戦力外通告を受けた。豊作と言われたこの年のドラフト1位では、他球団の選手は主力として活躍しているが、ソフトバンクの佐藤直は打撃の課題を克服できず、1軍で打率.129、2本塁打にとどまった。ソフトバンクはなぜ佐藤直を指名したのか、そしてなぜ彼は期待に応えられなかったのか、その背景と原因を探ってみたい。
まず、ソフトバンクが佐藤直を指名した理由は、彼の高い身体能力とポテンシャルに惹かれたからだと言える。佐藤直はJR西日本で社会人野球をプレーしていたが、その時点で50メートル走5秒7、遠投120メートル、最速153キロの剛速球を投げることができるという驚異的なスペックを持っていた。また、打撃では長打力もあり、社会人野球日本選手権では準決勝で本塁打を放つなど、存在感を示していた。ソフトバンクはこのような素材に磨きをかければ、将来的には強打者や投手としても活躍できると判断したのだろう。
しかし、佐藤直がプロ入り後に苦戦した原因は、彼の打撃技術やメンタル面にあったと考えられる。佐藤直は社会人野球では主に投手としてプレーしており、打者としての経験や実績はそれほど多くなかった。そのため、プロの投手に対してはタイミングやコース判断が甘く、空振りや三振が多くなった。また、プロ入り初年度から1軍に上がることができたが、そのプレッシャーや期待に耐えられなかったのかもしれない。特に今年は新型コロナウイルスの影響でファームでの試合数が減り、調整や実戦感覚を得る機会が少なくなったことも影響したかもしれない。
佐藤直はまだ22歳と若く、これからも野球を続ける可能性はある。しかし、ソフトバンクでは彼に与えられるチャンスはもうないだろう。ドラフト1位という大きな期待を背負ってプロ入りした佐藤直だが、残念ながらソフトバンクでは花開くことができなかった。彼の才能が開花する日は来るのだろうか。
