男子サッカー北朝鮮代表 日本に敗れ審判に詰め寄った五つの理由 杭州アジア大会（GLOBE＋） - Yahoo!ニュース
こんにちは、サッカーファンの皆さん。今回は、アジア大会の男子サッカー準々決勝で日本が北朝鮮に2-1で勝利した試合について、北朝鮮選手のラフプレーとマナーの悪さに隠された背景を探ってみたいと思います。
試合は、日本が前半に2点を先取し、後半に1点を返されたものの、最後までリードを守り切りました。しかし、試合内容よりも、北朝鮮選手の行動が注目を集めました。北朝鮮選手は、試合中から主審の判定に何度も抗議を繰り返し、日本の勝利が決まった瞬間にも主審を追いかけ回しました。試合後半には、日本チームが行っていた給水に北朝鮮選手が近づき、飲料を要求しました。果ては日本チーム関係者を威嚇するそぶりまで見せました。このようなマナーの悪さは、サッカーの精神に反すると言わざるを得ません。
では、なぜ北朝鮮選手はこんな狼藉を働いたのでしょうか。その背景には、国家養成選手としての重圧と、サッカーへの親しみと誇りが影響していると考えられます。
北朝鮮では、オリンピックや世界選手権では勝てる種目にしか選手を派遣しないという方針があります。故金日成主席はかつて、「参加することではなくて勝つことに意義がある」と語ったと言われています。北朝鮮では、国旗を掲げて争うのはスポーツと戦争の二つしかないと常々言い合っているという話もあります。そのため、北朝鮮選手は、国家の名誉と自分の生活をかけて戦わなければなりません。アジア大会には約200人の選手を派遣した北朝鮮ですが、金メダル獲得数では9位につけています。これは、テコンドーや柔道、射撃など、メダルを取れそうな種目に重点的に派遣している結果だと言えます。当然、サッカーもメダル獲得を期待されていました。オリンピックを見据え、U22代表で固めた日本に対し、北朝鮮はU24代表で臨み、オーバーエイジ枠の3人もフルに使って勝負に挑みました。しかし、日本に敗れたことで、メダルの夢は潰えました。その悔しさと焦りが、ラフプレーと抗議につながったのでしょう。
また、サッカーは北朝鮮の人々にとって最も人気のあるスポーツです。ボール一つあれば、誰でも楽しめるサッカーは、北朝鮮ではバレーボールと並んで広く親しまれています。男子サッカー1部リーグが毎年、通年で行われています。リーグの3強は「4・25」（北朝鮮軍）、「機関車」（鉄道省）、「鴨緑江」（社会安全省）の各体育団で、豊富な資金と人材を集め、チームの強化を図っています。過去には1966年のW杯イングランド大会ではベスト8に進出したり、女子サッカーでは2016年のU17女子W杯で優勝したりするなど、輝かしい戦績も残しています。平壌などで日曜日に視聴できる娯楽専門の「万寿台テレビ」では、必ずサッカーの国際試合の録画放送が流れています。それだけ視聴率が高いのです。注目度が高いため、選手もそれなりにプレッシャーを感じるでしょう。日本に負けたことで、国民の期待に応えられなかったという自責の念もあったのかもしれません。
