“本社”を破壊、ウクライナのロシア黒海艦隊司令部攻撃はなぜ成功したのか（JBpress） - Yahoo!ニュース
ウクライナは9月22日、ロシアが占領しているクリミア半島のセヴァストポリにあるロシア黒海艦隊司令部を巡航ミサイルで攻撃し、破壊しました。この攻撃は、ウクライナ空軍のSu-24戦闘爆撃機がイギリス製のストームシャドウという巡航ミサイルを使用して実施したものです。ウクライナ軍参謀本部は、この攻撃を認め、司令部だけでなく、防空ミサイルシステムや航空機などにも攻撃を加えたと発表しました。
この攻撃の背景には、ウクライナとポーランドの関係悪化があります。ポーランドはウクライナの支援国ですが、ウクライナ産の穀物がポーランド農業に影響を与えていました。そのため、ポーランドの首相は、ウクライナに対して武器供与をしないと発言しました。これに対して、ウクライナは、穀物の輸出ルートに脅威となるクリミアのロシア空海戦力を叩く行動に出たのです。
この攻撃が成功した理由は、以下の3つのポイントにあります。
- ストームシャドウは、低空飛行でレーダーに探知されにくく、高精度で目標を破壊できる巡航ミサイルです。ロシアの防空システムは、このミサイルに対応できなかったようです。
- ウクライナは、攻撃の前に、ドローンや電子戦機でロシアの防空網を妨害し、攻撃の隙を作りました。また、攻撃のタイミングも、ロシアの警戒が緩んでいた早朝に合わせました。
- ウクライナは、攻撃の目標を、ロシアの指揮統制や戦力の中枢である黒海艦隊司令部に絞りました。これにより、ロシアの反撃能力や士気を大きく低下させることができました。
この攻撃は、ウクライナとロシアの戦争における新たな局面を示すものと言えます。ウクライナは、西側諸国からの武器供与や技術支援を受けて、ロシアに対抗する能力を高めています。ロシアは、この攻撃に対してどのように対応するのでしょうか。今後の両国の動向に注目が集まります。
