「ドコモ口座」のドメイン、ドコモが取り戻す 出品の経緯をGMO含め聞いた（ITmedia NEWS） - Yahoo!ニュース
先日、ネット上で話題になったのが、ドコモが2021年に終了したウォレットサービス「ドコモ口座」のドメイン「docomokouza.jp」が、GMOインターネットのドメイン登録サービスでオークションに掛けられていたというニュースだ。1このドメインは、ドコモ口座の不正送金事件の影響で、多くのユーザーが残高確認や退会手続きを行うためにアクセスしたもので、公共性の高いものと言える。しかし、なぜこのドメインがオークションに出品されることになったのだろうか。
ドコモによると、このドメインは社内管理の不手際で、一時的にドコモの保有ではなくなってしまったという。ドコモは現在、各サービスのドメインを「docomo.ne.jp」へ統合する作業を進めており、その過程で「docomokouza.jp」の更新が漏れてしまったのだという。その結果、ドメインの期限が切れて一般に開放され、GMOインターネットが取得したのだという。
ドコモはこの事態を受けて、GMOインターネットと連絡を取り、オークションに出品されていたドメインを取り戻したという。現在はドコモの管理下にあるとのことだ。2ドコモは、このドメインが第三者に取得されて不正に利用された場合は、JP-DRP（JPドメイン名紛争処理方針）という公的な指針に従って必要な措置を取るとしている。JP-DRPは、ドメインにまつわる商標権者とドメイン登録者の紛争処理に関する規約で、ドメインの取り戻しや抹消が可能となるものだ。
一方、GMOインターネットは、このドメインを取得したのは、事前予約サービスというものを利用した顧客が複数いたからだと説明する。事前予約サービスとは、すでに第三者が登録しているドメインを事前に予約しておき、ドメインの期限を迎えて一般取得できるようになった時に自動で取得を試みるサービスだ。このサービスで「docomokouza.jp」をオーダーしていたユーザーが複数いたため、オークションに掛けられたのだという。
GMOインターネットは、ドメインの取得や出品に関して、特定の文字列や目的を審査することは基本的に行っていないという。ドメインの文字列自体が悪用されるかどうかという判断ができないため、取得の段階で規制や取りやめるということはしないという。8ただし、ドメイン取得後に悪質な利用方法が明らかになった場合に備えたサポート体制もあるという。JP-DRPへの案内や相談窓口を設けており、被害の申告があった場合は調査・対応を行うという。
このように、ドコモ口座のドメインがオークションに出品されたのは、ドコモ側の不手際とGMO側のサービスの仕組みによるものだった。ドメインの取得や利用に関するルールや対策については、ドメインの所有者や登録者、利用者の責任と意識が重要となるだろう。ドメインはインターネットの顔とも言えるもので、その安全性や信頼性には十分に注意したいものだ。
