ウクライナとロシアの間で続く戦争では、両国の空軍が重要な役割を果たしています。しかし、ウクライナ空軍はロシア空軍に比べて大きく劣っています。ロシア空軍は最新鋭の戦闘機や爆撃機を多数保有しており、ウクライナ領内のあらゆる場所に攻撃を加えることができます。一方、ウクライナ空軍はソビエト時代に製造された古い航空機を使って戦っています。その中でも特に注目されているのが、第7戦術航空旅団です。この部隊は、40年前に作られたスホーイSu-24爆撃機を運用しています。Su-24は双発2人乗りの可変翼爆撃機で、無誘導爆弾やロケット弾などを積んで低空飛行で敵地に侵入し、地上目標を攻撃することができます。しかし、このような任務は非常に危険です。Su-24はレーダーや赤外線誘導ミサイルなどに容易に捕捉される可能性が高く、敵の防空網を突破することは難しいです。実際、第7旅団はロシア軍から多くの攻撃を受けており、17機ものSu-24を失っています。
しかし、第7旅団は決してあきらめませんでした。彼らは退役したパイロットやナビゲーターを呼び戻し、保管所から引っ張り出したSu-24を修理して飛行可能にしました。そして、英国からの援助を受けて、Su-24に新しい武器を搭載することに成功しました。その武器とは、ステルス能力を持つ巡航ミサイル「ストームシャドー」です。ストームシャドーは、重量1.5トン、長さ5.1mの大型ミサイルで、GPS誘導で250km先の標的を正確に攻撃することができます。このミサイルは、英国のユーロファイタータイフーンやフランスのラファールなどの戦闘機に搭載されており、イラクやシリアなどで実戦投入されています。英国とウクライナの技術者らは、Su-24にストームシャドーを2発ずつ搭載できるように改造しました。これにより、第7旅団はもはや厳重に防衛されている標的を攻撃するためにその上空を飛行しなくてもよくなりました。その代わり、ウクライナ側が支配する比較的安全な空域を飛行しながら攻撃を仕掛けることができるようになりました。これは、第7旅団にとって大きな戦術的優位をもたらしました。彼らはロシア軍の基地や兵器庫などの重要な施設を破壊することができるようになりました。また、ストームシャドーのステルス性能により、ロシア軍のレーダーやミサイルに対して隠れることができるようになりました。これにより、第7旅団の損失ペースは大幅に低下しました。2022年には平均して月に1、2機の爆撃機を失っていたのが、今年になってから損失はほぼ皆無です。
第7旅団は、ウクライナ空軍の中でも最も勇敢で献身的な部隊として知られています。彼らは古い爆撃機でロシア軍と戦っており、多くの犠牲を払っています。しかし、彼らは決して屈服せず、英国からの援助を受けて新しい武器を手に入れました。これにより、彼らはロシア軍に対して強力な攻撃力を発揮することができるようになりました。第7旅団は、ウクライナの自由と独立を守るために戦う勇敢な戦士たちです。彼らの活躍に敬意を表します。
