「楽天ってやばいんでしょ。モバイルの借金がすごくて」営業損益は4928億円の赤字……それでも三木谷浩史が「楽天モバイルの成功」を信じる理由（文春オンライン） - Yahoo!ニュース
楽天モバイルは、日本の通信市場に新風を吹き込もうとする挑戦的な事業です。しかし、その裏には、三木谷浩史が世界の通信業界に対して抱く野望があります。その一端を垣間見ることができるのが、2023年2月にスペイン・バルセロナで開催された「モバイル・ワールド・コングレス（MWC）」です。
MWCは、世界最大の通信ビジネス国際見本市で、最先端のテクノロジーを競い合う場です。そこに、楽天モバイルのトップである三木谷浩史が登場しました。彼は、楽天グループに加わったグローバルセールス・マーケティング統括のラビー・ダブーシや、楽天モバイルCEOのタレック・アミンなど、世界の通信業界で名の知れた人材を引き連れて、次から次へと商談をこなしていきました。
三木谷浩史が商談相手として選んだのは、欧州の携帯電話大手や米国の通信大手など、楽天モバイルとは競合関係にある企業ばかりでした。彼は、自らが推進する「携帯電話ネットワークの完全仮想化」という画期的なアイデアを説明し、楽天モバイルの技術やサービスを提供することを持ちかけました。彼は、単に日本市場でシェアを奪うだけではなく、世界市場で通信事業者として存在感を示すことを目指していたのです。
しかし、三木谷浩史の挑戦は簡単なものではありません。楽天モバイルは、2022年度の通期決算で4928億円の赤字を計上しました。また、サービス開始から1年以上経っても、契約者数は300万人に満たず、目標としていた500万人には程遠い状況です。さらに、技術的な問題や行政指導などもあり、サービス品質やエリア拡大にも課題が残っています。
三木谷浩史は、このような困難にもめげずに、楽天モバイルの成功を信じています。彼は、「携帯電話ネットワークの完全仮想化」が通信業界の常識を覆し、コストや柔軟性などにおいて優位性を持つと考えています。また、楽天グループが持つECや金融などの多様な事業と連携し、通信事業だけではなくライフスタイル全体を提供することで差別化を図ろうとしています。
三木谷浩史は、「最後の海賊」と呼ばれるほど、常に新しい分野に挑戦し続ける起業家です。彼は、「楽天モバイル」を通じて、日本だけでなく世界の通信業界に革命を起こそうとしています。その挑戦と未来に注目していきたいと思います。
