中村倫也『ハヤブサ消防団』タイトルからは絶対にわからない “真のテーマ” に背筋が凍る【ネタバレあり】（SmartFLASH） - Yahoo!ニュース
池井戸潤氏の同名小説を原作とするドラマ『ハヤブサ消防団』は、中村倫也が主演を務めるサスペンス作品だ。主人公は売れないミステリー作家で、豊かな自然に囲まれた田舎町に移住して消防団に加入する。しかし、その町では連続放火事件や住民不審死などの怪事件が起きている。その裏には、過去に信者12人を殺害したカルト教団「アビゲイル騎士団」の影があった。
このドラマは、タイトルや序盤の展開からは想像できないほど恐ろしい物語だ。カルト教団の存在が明らかになる第4話以降、町に侵食してくる教団の恐怖と主人公たちの危機感が高まっていく。第7話では、町に教団の信者たちが大挙して押し寄せる異様な光景が描かれた。過去に実際にあったカルト教団の報道を思い出させるようなシーンだ。
このドラマの魅力は、タイトルやストーリーを隠すことで視聴者に恐怖感を最大化させたことだ。『ハヤブサ消防団』というタイトルからは、消防団員たちの活躍と友情を描いた熱血ストーリーのようなイメージを持つかもしれない。しかし、実際はカルト教団の侵食を描いたホラーだった。視聴者は主人公と同じように不穏な気配に怯え、同じタイミングでおそろしい計画に驚愕することができた。
また、このドラマは謎や不気味なシーンがきちんとカルト教団の話に集束してくることも素晴らしい。質の悪いミステリーやサスペンス作品では、視聴者を引きつけるために衝撃シーンを強引に挿入することがあるが、それらが物語に関係ない枝葉だったりすることも多い。しかし、『ハヤブサ消防団』では、すべてのショッキングなシーンが真のテーマにつながっており、構成のきれいさも見事だ。
今夜放送の第8話では、白い服をまとった信者たちがゾロゾロと歩くシーンや、主人公が教祖の娘である謎の美女（山本美月）と対峙するシーンなどが予告されている。⁷[7]これらのシーンもまた、恐怖心を掻き立てることだろう。⁸[8]『ハヤブサ消防団』は、カルト教団の侵食に震えるサスペンス作品として、見逃せないドラマだと言える。
