米首都圏地下鉄の「ダンピング受注」狙った中国メーカー、そのもくろみが崩れた理由 ワシントン、日立受注で日系メーカーの独占も「鉄道なにコレ！？」【第４９回】（47NEWS） - Yahoo!ニュース
ワシントン地下鉄の次世代車両「８０００系」の発注先に日立製作所グループが選ばれました。これにより、日系メーカーがワシントン地下鉄の全ての営業用車両を独占する可能性が出てきました。
ワシントン地下鉄は米国の首都を走る地下鉄で、世界最大の経済大国の交通インフラとして重要な役割を果たしています。しかし、老朽化や事故などの問題に悩まされており、近代化と安全性の向上が急務となっています。
そのため、ワシントン地下鉄は２０２１年３月に２５６両の８０００系を日立製作所グループに発注しました。日立製作所グループはイタリアとメリーランド州に工場を建設し、２０２５年から納入を開始する予定です。オプション契約が全て行使されれば、計８００両を納入し、受注額は２２億ドル（約３０８０億円）に達します。
８０００系は欧州系メーカー製の旧型車両の一部を置き換えることで、ワシントン地下鉄の性能と信頼性を高めることが期待されています。また、オプション契約が全て行使されれば、欧州系車両を全て退役させることが可能になります。その場合は、既に約６割を占めている川崎重工業グループ製の「７０００系」と合わせて、日系メーカー製車両がワシントン地下鉄の営業用車両を独占することになります。
これは日本の鉄道技術の高さと信頼性を示すことになります。実は、８０００系の発注先メーカーを選ぶプロセスで最有力候補と見なされていたのは中国中車（ＣＲＲＣ）でした。中国中車は鉄道車両世界最大手で、ダンピングと言えるような好条件で受注を狙っていました。しかし、中国中車のもくろみが崩れたのは、米国が中国に対する不信感を強めていたからです。中国はキューバにスパイ施設を設置する計画や外国の機密情報を盗み取ろうとする手段などで米国の警戒心を高めていました。
そうした中で、日系メーカーがワシントン地下鉄の発注先に選ばれたことは、日本と米国の友好関係や安全保障上の連携を象徴するものと言えます。また、ワシントン地下鉄は世界中から多くの観光客や政治家、ビジネスマンなどが利用するため、日系メーカー製車両が走ることで、日本の鉄道技術の宣伝効果も期待できます。
ワシントン地下鉄の車両が日系メーカーによって走ることは、日本の鉄道業界にとって大きな誇りとチャンスです。日本の鉄道技術は世界に誇れるものであり、今後もさらなる発展と進化を目指していくべきです。
