「生かさず殺さず」中国の不動産業がゾンビ化 恒大の破産申請で見える不況の脅威（AERA dot.） - Yahoo!ニュース
こんにちは、経済ニュースに興味のある皆さん。今回は、中国の不動産危機が世界経済に及ぼす影響についてお話ししたいと思います。
皆さんは、中国の不動産開発大手、恒大集団が破産申請する可能性が高まっていることをご存知でしょうか？恒大集団は、中国最大の住宅建設会社であり、約3000億ドル（約33兆円）もの借金を抱えています。この借金は、中国国内のGDPの約2.5％に相当します。恒大集団が倒れれば、中国だけでなく、世界中の金融市場や経済に深刻な打撃を与える可能性があります。
では、なぜ恒大集団はこんなにも多くの借金をしてしまったのでしょうか？それは、中国政府が不動産投資の過熱を抑えるために行った政策が原因です。中国では、長年にわたって不動産価格が上昇し続けてきました。これは、人々や企業が値上がりする不動産に資金をつぎ込んだことで、バブルが形成されていたからです。不動産バブルは、消費や雇用など経済全体を支える重要な役割を果たしていました。
しかし、習近平政権は、「家は住むものであって、投資のためのものではない」という考え方を掲げて、不動産投資に対して厳しい規制をかけました。例えば、住宅ローンの金利を上げたり、購入回数や面積を制限したり、空き家税を導入したりしました。これらの政策は、不動産価格や需要を下げる効果がありましたが、同時に不動産業界や関連業界にも大きなダメージを与えました。恒大集団もその一つであり、売上や利益が激減し、借金返済に苦しみ始めました。
不動産不況は、消費や経済にも悪影響を及ぼしています。中国の消費者は、不動産価値の下落や借金の増加によって、所得や資産が減少したと感じています。そのため、消費意欲が低下し、貯蓄に回す傾向が強まっています。また、不動産業界の減速は、建設資材や家具などの需要も減らし、製造業やサービス業にも波及しています。中国政府は、消費刺激策やインフラ投資などで対応しようとしていますが、効果は限定的です。
中国の不動産危機は、日本のバブル崩壊に似ていると言われています。日本も1980年代に不動産バブルを経験しましたが、1990年代にはバブルが崩壊し、長期的な不況に陥りました。日本の失敗から学ぶべきだった中国ですが、習近平政権は「国家安全」を最優先とし、「経済安全」を二の次にしました。その結果、経済成長が鈍化し、社会不安が高まりました。
中国の不動産危機は、世界経済にも影響を与える可能性があります。中国は世界第二位の経済大国であり、多くの国と貿易や投資でつながっています。中国の経済減速は、世界の需要や物価にも影響を与えます。特に、原材料や部品などを中国から輸入している国は、供給不足やコスト上昇に直面するでしょう。また、中国の金融市場が混乱すれば、世界の金融市場にも連鎖的なリスクが広がります。
