こんにちは。今日は、中国の経済が危機的な状況にあることと、それが台湾問題にどんな影響を与えるかについて話したいと思います。最近、中国の経済指標が悪化していることをご存知でしょうか。生産者物価や消費者物価が下落し、輸入も減少しています。若者の失業率は発表すらされていません。不動産開発大手の恒大集団や碧桂園が経営危機に陥り、信託会社などの影の銀行も不安定になっています。中国人民銀行は利下げを行いましたが、効果は期待できません。
これらの現象は、中国が従来の景気循環とは異なる「大転落」を起こしていることを示しています。その原因は、新型コロナ政策の失敗やサプライチェーンの変化、不動産バブルの崩壊などにあります。中国政府や共産党は国民や企業の信頼を失っており、消費や投資も低迷しています。国有企業が優遇されており、技術革新や生産性向上も望めません。日本が経験した「失われた20年」よりも深刻な「大停滞」に突入する可能性が高いのです。
では、このような状況下で、中国は台湾問題にどう対処するでしょうか。世界では、「国民の目を逸らすために武力侵攻する」という見方と、「国力回復に集中するために慎重になる」という見方があります。しかし、私はもう一つの可能性を考えてみたいと思います。「平和的統一」です。
中国はもともと、「平和的統一」を最優先に掲げてきました。武力行使は最後の手段であり、「選択肢を排除しない」というだけです。一方、米国は意外にも、「平和的統一」に反対しないという立場を取ってきました。台湾関係法では、「台湾人民が自由意志で決定した場合」は「尊重する」と明記されています。
もちろん、「平和的統一」は簡単なことではありません。台湾の多くの人々は、中国の政治体制や人権状況に反発しています。しかし、中国が経済的に弱体化し、武力侵攻のリスクが高まれば、台湾も譲歩する余地が出てくるかもしれません。中国は台湾に対して、一国二制度や高度な自治などの優遇措置を提案することができます。台湾は中国との経済的なつながりを断ち切ることはできません。両者の間には、平和的統一に向けた対話の可能性があるのです。
日本はどうすべきでしょうか。私は、台湾問題に関しては、中立的な立場をとるべきだと思います。台湾の自主性や民主主義を尊重する一方で、中国との対話や協力を求めるべきです。日本は、米国と同じく、「平和的統一」に反対しないという姿勢を示すべきです。もちろん、中国が武力侵攻を仕掛ければ、日本は米国と共に台湾を支援する必要があります。しかし、それは最悪のシナリオであり、避けるべきです。
中国経済の危機は、「もう一つの台湾危機」を引き起こす可能性があります。日本はその危機に備えるとともに、平和的な解決に貢献する役割を果たすべきです。それが日本の国益にもなると思います。
