中国の新地図に対するアジア諸国の反発

中国が2023年版の「標準地図」を公表したことにより、アジア諸国との領有権争いが再燃している。中国は南シナ海やインドとの国境地帯などを自国の領土・領海として記載し、周辺国から強い抗議を受けている。中国は国際法を無視する一方的な主張を続けており、アジアの平和と安定に大きな影響を与える可能性がある。

中国の「十段線」に対するフィリピンやマレーシアの反発
中国は南シナ海の90％を自国の「領海」とした「九段線」を「十段線」に拡張し、台湾やフィリピン、マレーシア、インドネシアなどの領海や排他的経済水域（EEZ）を侵食している。これに対して、フィリピン外務省は「中国当局から出された地図を拒否する」と批判し、国際法と仲裁裁判所の判決に従うよう求めた。マレーシア政府も外交的な抗議文書を提出し、新たな地図に何ら拘束されるものではないと表明した。インドネシア外相も国連海洋法条約に従った主張でなければならないと述べた。

中国の「領土」に対するインドや台湾の反発

中国はインドとの係争地であるインド北東部アルナチャルプラデシュ州の一部やカシミール地方のアクサイチンを自国の「領土」として記載している。これに対して、インド外相は「こんな筋の通らない主張によって、他人の領土が自分のものになることはない」と反発した。台湾外交部も「台湾は中国の一部ではない」と改めて強調し、「中国政府が台湾の主権を巡る自らの立場をどのようにわい曲しようとも、われわれが存在するという客観的な事実を変えることはできない」と語った。

中国の地図問題への対応策

中国は周辺国からの抗議を無視する姿勢を示し、地図を変更する意思が全くないことを内外に明らかにした。中国外務省報道官は「中国の南シナ海問題での立場は常に明確だ」と説明し、関係各国・地域が客観的かつ合理的な態度でこの件を考えてほしいと付け加えた。しかし、このような発言は傲岸不遜で白々しいものであり、誠意の欠片もないと言われても仕方がないだろう。中国は自分たちが正しく冷静だという厚顔無恥な態度で、周辺国や国際社会を挑発している。

この問題に対して、周辺国や国際社会はどうすべきか。まず、中国の一方的な主張に屈しないことが重要である。国際法や仲裁裁判所の判決を尊重し、対話を通じて平和裏かつ合理的な形で取り扱う必要がある。また、アジアの安全保障を担う米国や日本などの協力も不可欠である。中国の地図問題は、アジアだけでなく世界の平和と安定に関わる重大な課題であり、共同で対処するべきである。