「オール4」でも資格なし…「陸の王者」慶應高野球部を変えたハードルが高すぎる「推薦入試制度」（現代ビジネス） - Yahoo!ニュース
慶應義塾高校野球部が今夏、107年ぶりに全国制覇を果たしました。その強さの裏には、高いレベルでの文武両道を求める「推薦入試制度」があります。
慶應高野球部は、KEIOというブランド力やエンジョイ・ベースボールという理念、自由な髪型など、他の高校野球チームにはない魅力を持っています。しかし、それだけでは甲子園優勝には届きません。実は、慶應高野球部は、非常にハードルの高い「推薦入試制度」を採用しています。
推薦入試制度とは、高校野球部に所属する生徒は、中学時代に優秀な成績を収めることが必要であるというものです。つまり、野球だけでなく勉強もできる生徒しか入部できないのです。これは、慶應義塾大学への進学を目指すためにも必要なことですが、同時に野球の技術や戦術を理解しやすくするためでもあります。
推薦入試制度は、昭和40年代から始まりました。当時、神奈川県では桐蔭学園高や東海大相模高などの強豪校が台頭し、慶應高野球部は甲子園出場から遠ざかっていました。そこで、当時の監督である山本一夫氏が、「文武両道」を掲げて推薦入試制度を導入しました。これにより、野球だけではなく勉強もできる生徒が集まり、チームのレベルが上がっていきました。
推薦入試制度は、現在でも続いています。今夏の甲子園優勝メンバーの中にも、オール4以上の成績を持つ生徒が多数います。また、チーム内では自主的に勉強会を開いたり、テスト前には練習時間を短縮したりするなど、勉強への意識も高いです。
慶應高野球部は、「推薦入試制度」によって、「陸の王者」と呼ばれるようになりました。しかし、この制度は決して楽なものではありません。野球と勉強の両立は大変な努力が必要ですし、競争も厳しいです。それでも、この制度を乗り越えた生徒たちは、「甲子園」という夢を叶えることができました。
慶應高野球部の甲子園制覇は、「推薦入試制度」が生んだ奇跡と言えるでしょう。この制度は今後も変わらず続けられると思いますが、その中でどんな物語が生まれるか楽しみですね。
