80年代に流行した暴走族やレディースのファッションといえば、特攻服です。特攻服とは、第二次世界大戦時に特攻隊員が着ていた軍服を模したもので、背中にチーム名や自分の名前を書いたり、刺繍やペイントで飾ったりしています。この特攻服は、なぜ暴走族やレディースにとって魅力的だったのでしょうか？
雑誌『ティーンズロード』に掲載された、特攻服姿のレディースの少女たちの写真を見ると、その答えが見えてきます。1彼女たちは、特攻服を着ることで自分たちの存在感や個性をアピールしていました。また、特攻服は暴走族やレディースの仲間意識や結束力を高める役割も果たしていました。特攻服を着ることで、自分たちは一つのチームであり、他のチームとは違うというアイデンティティを持つことができました。
しかし、特攻服はただかっこいいから着ているだけではありませんでした。実は、特攻服には暴走族やレディースのルールや規律が隠されていました。例えば、背中に書かれた文字は自分で書くことはできず、先輩から許可を得て書いてもらう必要がありました。また、特攻服は汚れたり破れたりすることが許されず、常に清潔に保つ必要がありました。さらに、特攻服は自分のものではなくチームのものであり、チームから離れるときには返却しなければなりませんでした。
このように、特攻服は暴走族やレディースにとって重要な意味を持つものでした。しかし、その一方で社会からは非難される存在でもありました。特攻服を着ているだけで警察に職質されたり、学校や家庭から反発されたりすることも少なくありませんでした。それでも彼女たちは特攻服を着続けました。それは、自分たちの生き方や価値観を貫くためでした。
80年代のレディースたちが特攻服を着た理由とは、それは自分らしさを表現することだったのです。
