NHK連続テレビ小説『らんまん』は、明治時代の日本で植物研究に情熱を注ぐ主人公・万太郎（神木隆之介）と、彼を取り巻く人々の物語を描いています。8月17日放送の第99話では、万太郎と田邊（要潤）が同じ花に巡り合うという衝撃的な展開がありました。
田邊は、女学校の廃止という打撃を受けた後、妻・聡子（中田青渚）の励ましで、植物の研究に本腰を入れることにします。夏になり、田邊は学生たちと植物採集旅行に出かけます。そこで、彼は新種かもしれない美しい花に出会います。この花は、田邊がかつて万太郎に送った植物図鑑にも載っていないものでした。田邊は、この花を自分の名前にちなんで「タナベソウ」と名付けることを決めます。田邊の研究への情熱は、大窪（今野浩喜）、波多野（前原滉）、野宮（亀田佳明）といった学生たちにも伝染します。
一方、万太郎は、虎鉄（寺田心）から植物標本が届きます。それはなんと、田邊が見つけたのと同じ花だったのです。虎鉄は、この花を山中で見つけたと言います。万太郎は、この花が新種である可能性に気づきます。しかし、彼はこの花を「タナベソウ」と呼ぶことを知りません。彼は、この花を自分の恋人・小春（広瀬すず）にちなんで「コハルソウ」と名付けることを決めます。
こうして、田邊と万太郎は同じ花に出会いながらも、それぞれ違う名前を付けることになりました。これは、二人の対立を象徴する出来事でもあります。田邊は、女学校の廃止や万太郎の批判によって傷つきましたが、植物研究に打ち込むことで立ち直ろうとしています。万太郎は、田邊のやり方に反発しながらも、彼の才能や知識を認めています。二人は同じ目標を持ちながらも、違う道を歩んでいます。
『らんまん』では、植物が重要な役割を果たしています。植物は、万太郎や田邊の研究対象であるだけでなく、彼らの感情や思想を表現する手段でもあります。また、植物は時代の変化や進歩を示す象徴でもあります。明治時代は日本が西洋化や近代化を進めた時代でしたが、その中で植物研究も発展しました。植物は、日本の自然や文化を守りながらも、新しい発見や価値を生み出すものとして描かれています。
『らんまん』は、植物を通して、明治時代の日本の姿や人々の生き方を描いています。田邊と万太郎が同じ花に出会ったことは、彼らの関係にどのような影響を与えるのでしょうか。今後の展開にも注目です。
