大正製薬がリポビタンDの広告宣伝に起用していたサッカーの三浦知良選手に、錠剤タイプの「リポビタンDX」に起用しようと思ったところ、三浦選手の広告起用を行っている広告代理店「ハットトリック」から、契約書には「錠剤」の記載がなく対象外ということで断られてしまったことが物議を醸しています。その後、三浦選手がリポビタンDXと競合関係にあるサントリーウェルネスのサプリメント「セサミンEX」の広告に起用されてしまったため、大正製薬はハットトリック社を訴えました。
しかし、裁判所は契約書に「錠剤」の文言がないことを理由にこの請求を退けました。大正製薬はこの敗訴を自ら公表し、「業界の慣習」から高額な契約金を支払うことも難しくなるという理由で、広告ビジネスの秩序と尊厳を守るため、あえてこの自社にとってなんのメリットもない「敗訴」を世間に知らしめたということです。