こんにちは。今日は、NHKの連続テレビ小説「らんまん」のモデルになった植物学者・牧野富太郎についてお話ししたいと思います。牧野富太郎は、日本の植物分類学の基礎を築き、「日本の植物学の父」と呼ばれる人物です。彼は、生涯で約40万点もの植物標本を収集し、約1700点もの精緻な植物図を描きました。そんな彼の94年にわたる人生とは、どのようなものだったのでしょうか。以下に、彼の主な業績とエピソードをまとめてみました。
- 幕末に高知県で生まれた牧野富太郎は、幼いころから草木と遊ぶのが好きでした。高知県立名教館で西洋の最先端の諸学科を学びましたが、2年で退学してしまいました。その後、独学で植物学を身につけ、高知県内や四国各地で植物採集に励みました。
- 22歳で上京した牧野富太郎は、東京大学理学部植物学教室へ出入りしながら本格的な植物研究に没頭しました。友人と「植物学雑誌」を創刊し、自ら発見した新種「ヤマトグサ」に日本で初めて学名をつけて発表しました。これは、日本人が外国の学者に依存せず自らの手で学名をつけることができた記念すべき瞬間でした。
- 牧野富太郎は、全国を踏査し、約2500種の植物を発見し命名しました。この数は、日本のシダ以上の高等植物の約半数にあたります。日本各地をまわり、植物愛好家を指導して、植物学を大衆にまで広めました。
- 牧野富太郎は、鋭い観察力と巧みで精密な天性の画才があり、発見した植物を正確に忠実に写生しました。細かい線や色彩で植物の質感や特徴を表現し、「牧野式」と呼ばれる先進的な植物図法を確立させました。精密な図解は海外からも高い評価を受けました。
- 牧野富太郎は、西洋に負けない優れた植物誌をつくるという大志を抱き、「日本植物志図篇」や「大日本植物志」を自費出版で刊行しました。そのこだわりは徹底していて、原画のみならず石版印刷までをも自らで手がけ、植物を正確忠実に記録しました。
以上が、「らんまん」のモデルになった天才植物学者・牧野富太郎の生涯の一部です。彼は、自らを「草木の精」といい、植物に限りない愛情を注ぎました。彼の描いた植物図や収集した植物標本は、高知県立牧野植物園や東京大学総合研究博物館などで見ることができます。ぜひ、彼の作品に触れてみてください。植物の魅力に気づくかもしれませんよ。
