記事は、富裕層・IPO税務を専門とする黒田悠介税理士（税理士法人Bridge 代表）が解説しています。Bさんの事例を交えながら、贈与の注意点について解説しています。
Bさんは、父親から毎年110万円を20年間振り込まれた口座を持っており、その後90歳で他界されました。
しかし、娘のBさんは、父親から相続対策のために用意された通帳があると聞かされていたため、その通帳に関しては相続税の申告対象にしなくて大丈夫だろうと思っていました。また自分名義の預金だったこともあり、その2,200万円の通帳については相続申告を依頼した税理士にも伝えていませんでした。
しかし、2年後に突然税務署から連絡があり、相続税の税務調査が来ることになりました。指摘された2,200万円の口座は、父親が生前に毎年110万円を20年間振り込み続けてくれていた預金口座でした。娘さんは生前に父から相続対策のために用意をしている通帳があると聞かされていたため、この通帳に関しては相続税の申告対象にしなくて大丈夫だろうと思っていました。
しかし、実際には贈与が成立していなかったため、お父さんの預金であり相続財産だったことが判明しました。このようなケースを避けるためにも、贈与税非課税枠を利用する場合は注意が必要ですね。
