ダイエットのために砂糖の代わりにゼロカロリーの甘味料を使っている人は多いと思いますが、WHO（世界保健機関）が先月発表したガイドラインでは、そのような甘味料には体重減少効果がなく、むしろ病気のリスクを高める可能性があるという見解が示されました。
WHOが調査した過去の研究によると、非糖質系甘味料（NSS）と呼ばれるアセスルファムK、アスパルテーム、サッカリン、スクラロース、ステビアなどは、成人や小児の体脂肪を減らすうえでは長期的な利益をもたらさないこと、長期使用により成人の2型糖尿病や心血管疾患、死亡のリスク増加など、望ましくない影響がある可能性が示唆されていることが分かりました。
ただし、すでに糖尿病の既往を持つ人は今回の勧告の対象から除外されているため、その場合は医師に相談することが必要です。
WHOは2015年にも、肥満と関連する非感染性疾患（NCD）の予防のために、「糖分の1日あたり摂取量を総エネルギー摂取量の5％以下に抑えるのが望ましい」とするガイドラインを発表していました。しかし、その後もNSSの普及は広がりました。今回のWHOの勧告は、自らその流れに“待った”をかけたとも言えます。
ダイエットを目指す人は、「ゼロカロリー」「糖質ゼロ」の商品に惑わされず、バランスの良い食事と適度な運動を心がけることが大切です。甘味料に頼らずに自然な甘さを楽しむことも、健康的な生活の一つの方法です。
