大塚家具の元社長・久美子氏が、IT機器メーカーのメルコホールディングスの社外取締役に就任することが内定した。久美子氏は、父親で創業者の勝久氏と経営方針をめぐり対立し、父親を解任して自ら経営を担ったが、業績は悪化し、ヤマダ電機の傘下に入ることになった。約2年半ぶりに経営の現場に戻る久美子氏の今後の手腕に注目が集まる。
大塚家具は、高級家具を扱う老舗企業だったが、久美子氏は低価格路線に転換しようとした。しかし、消費者のニーズに合わず、売上高は減少し、赤字が続いた。メインバンクも信用を失い、資金繰りに窮した。そんな中、ヤマダ電機が大塚家具を子会社化することで合意した。ヤマダ電機は、家電量販店から成長するために、大塚家具の販売網や修繕ノウハウを得たかったという。
久美子氏は、2020年10月に大塚家具のすべての役職から退いた。その後は、自身が代表を務めるNPO法人「日本女性リーダーズ協会」などで活動していた。しかし、メルコホールディングスの牧寛之社長との個人的な縁があり、社外取締役に抜擢されることになった。メルコホールディングスは、バッファローなどのブランドで知られるIT機器メーカーである。
久美子氏は、「家具屋姫」と呼ばれるほどの才女だったが、父娘騒動や経営失敗で汚名を着せられた。しかし、IT業界で新たな挑戦をすることで、その能力を発揮できるかもしれない。メルコホールディングスは、コロナ禍で需要が高まったオンライン関連の事業に力を入れている。久美子氏は、その分野でどんな提案や意見を出すのだろうか。経営者としての復活を目指す久美子氏から目が離せない。
