「かつや」は、独自のフライヤー技術によってとんかつの低価格化を実現し、年々店舗数を増やし続けてきました。コロナ禍でも高いテークアウト比率によって業績を伸ばすことに成功しましたが、成長の秘訣は低価格だけではありません。クーポン戦略もかつやの成長を牽引しました。さまざまな調査結果を引用しながら、クーポン戦略で成功した秘訣を探ってみました。
かつやの運営会社であるアークランドサービスホールディングス（HD）は、1993年に設立され、レストラン「サンマルク」や「ドトールコーヒー」にフランチャイズ（FC）として参入しながら、天ぷら系料理のオリジナルブランド店として「てんぷ亭」を展開し始めました。しかし、「てんぷ亭」はヒットせず後に閉店となります。一方、1998年から展開し始めたとんかつ専門店の「かつや」は国内にとんかつ系チェーンが少なかったこともあってヒットし、次々に店舗数を増やしていきます。
コロナ禍では飲食チェーンが業績悪化に苦しむなか、「かつや」は成長スピードを落とすことなく、むしろ店舗数・売上高を伸ばしました。決算資料によると19年12月期～22年12月期までの業績は次の通りです。売上高（国内かつや事業）：233億円→241億円→252億円→280億円。「かつや」がコロナ禍でも成長できた理由は、高いテークアウト比率にあります。同社はテークアウト専用メニューの開発やデリバリー対応を進め、TVCMで集客を図りました。
