【リニア】「すべてJR東海の責任のように言うのは変だ」静岡市長が県を批判 土砂置き場の災害危険度は？（テレビ静岡NEWS） - Yahoo!ニュース
静岡県とJR東海の間で対立しているリニア新幹線の土砂置き場問題について、静岡市の難波喬司市長が記者会見を開き、県の見解に反論した。難波市長は国土交通省の元技術官僚で、土木工学のスペシャリストだ。リニア新幹線の工事現場となる静岡市の立場から、以下のような主張を展開した。
- 土砂置き場が災害危険度を高めるとは言えない：リニア新幹線は南アルプスの直下を通る。トンネル工事で出る東京ドーム3個分の土砂を、JR東海は静岡市葵区にある大井川上流のツバクロに盛土する予定だ。県は、周辺で大規模な土砂崩壊があった場合に、土砂置き場が被害を拡大させる恐れがあると心配している。しかし、難波市長は、JR東海が行ったシミュレーションの結果をもとに、「土砂置き場があってもなくても、下流の椹島に影響の違いは見られない」と述べた。
- 県の要求は現実的ではない：県は、さらに大規模な土砂崩壊のシミュレーションを求め、土砂を置く場所は他の候補地も含め1カ所に大量に置くのがいいのか、もう一度検討してもらいたいとJR東海に注文をつけた。しかし、難波市長は、県の要求は「現実的ではない」と批判した。難波市長は、「土砂崩壊の規模や頻度は自然現象であり、人間がコントロールできるものではない。また、土砂を置く場所は、工事現場から近く、安全で合理的な場所を選ぶ必要がある。他の候補地は、工事現場から遠く、土砂の運搬に多くのコストや時間がかかる」と指摘した。
- 県はリニア新幹線の利点を認めるべきだ：難波市長は、県がリニア新幹線の工事に対して「すべてJR東海の責任のように言うのは変だ」と非難した。難波市長は、「リニア新幹線は、静岡県にとっても大きな利点がある。静岡県は、リニア新幹線の建設に協力することで、国から多くの補助金を受け取っている。また、リニア新幹線が開通すれば、静岡県の交通や経済にも好影響を与える。県は、リニア新幹線の利点を認め、JR東海と協力的な姿勢を示すべきだ」と主張した。
以上のように、難波市長は、リニア新幹線の土砂置き場問題について、県とは異なる見解を示した。難波市長は、自身の専門知識と現場の実情に基づいて、リニア新幹線の工事を支持する立場をとった。一方、県は、リニア新幹線の工事に対して慎重な姿勢をとり、JR東海に対してさらなる検討や説明を求めている。リニア新幹線の土砂置き場問題は、今後も県と市の間で対立が続く可能性が高い。
