こんにちは、皆さん。今日は、最近SNSで話題になっている衝撃的な動画について紹介したいと思います。それは、サバの内臓の表面などに寄生した200匹以上の「アニサキス」という寄生虫の動画です。撮影したのは宮崎大学医学部感染症学講座寄生虫学分野の教員らで、この動画を見て「アニサキス」について正しい知識を身につけてほしいという思いでX（旧ツイッター）に投稿したそうです。
- アニサキスとは：アニサキスは、イルカやクジラの胃に寄生する成虫が産んだ卵から孵化した幼虫が、プランクトンや小魚を経由してサバやアジ、サンマなどの魚に寄生する寄生虫です。体長は約2センチ、体幅は0.5ミリ程度で、ブラックライトをあてると白く光ります。人間が生の魚を食べると、アニサキスの幼虫が消化管に入り込み、激しい腹痛や吐き気などの症状を引き起こすことがあります。これをアニサキス食中毒と呼びます。
- アニサキス食中毒の増加傾向：厚生労働省によると、全国的にアニサキス食中毒は増加傾向にあります。2019年は336人、2020年は396人、2021年は354人、2022年は578人の患者が報告されました。実際には、2000から3000症例のアニサキス食中毒が発生しているとみられます。長野県でも毎年、報告があり、2023年はこれまでに1件確認されました。原因となった食品はしめサバと推定されています。
- アニサキス食中毒を防ぐポイント：アニサキス食中毒を防ぐには、以下のポイントに注意しましょう。
- 生の魚を食べるときは、鮮度の良いものを選ぶ：鮮度が落ちると、アニサキスの幼虫が内臓から身に移動する可能性が高くなります。また、魚の内臓は捨てるか、しっかり加熱してから食べましょう。
- 生の魚を食べる前に、ブラックライトでチェックする：ブラックライトをあてると、アニサキスの幼虫は白く光るので、見つけやすくなります。もし見つけたら、ピンセットなどで取り除きましょう。
- 生の魚を食べるときは、しっかり冷凍する：アニサキスの幼虫は、-20℃以下で24時間以上冷凍すると死滅します。家庭用の冷凍庫では、-18℃以下で48時間以上冷凍することをおすすめします。冷凍した魚は、解凍してからすぐに食べましょう。
- 生の魚を食べた後は、注意深く自覚症状を観察する：アニサキス食中毒の症状は、食べた後数時間から数日で発症します。激しい腹痛や吐き気などの症状があれば、すぐに医療機関を受診しましょう。アニサキスの幼虫は、内視鏡や薬で除去することができます。
