yahooアクセスランキング記事を要約する blog

ヤフーニュースのアクセスランキング記事を要約するブログです。

「内定を取り消された社員が裁判で敗訴した理由」

スポンサーリンク

内定をもらった社員が飲み会でメガトン級の大暴れ、「内定の取消し」を巡る裁判の行方はいかに!?(@DIME) - Yahoo!ニュース

こんにちは。弁護士の林 孝匡です。今回は、内定をもらった社員が飲み会で大暴れして内定を取り消された事件について解説します。この事件は、内定の取消しの法的な基準や、内定者の権利に関する興味深い問題を提起しています。

内定とは、雇用契約の成立に必要な条件がすべて合意された状態で、雇用契約の成立を確約するものです。内定を受けた者は、一般的には雇用契約の当事者として扱われます。しかし、内定者はまだ正式に勤務を開始していないため、雇用契約の効力が発生する時期や範囲については議論があります。

内定の取消しは、雇用契約の解除と同じくらい厳しい要件が必要です。すなわち、重大な事由がある場合に限られます。重大な事由とは、雇用契約の目的を達成することが困難または不可能になるような事情のことです。例えば、内定者が犯罪行為をしたり、虚偽の履歴書を提出したり、重大な病気にかかったりした場合などが該当します。

今回の事件では、内定者であるXさんが歓迎会で以下のような粗相をしました。

  • 初対面の社員を「こいつら」「オマエ」と呼ぶ。
  • さらに「やくざ」「反社会的な人間に見える」などの暴言
  • 上司となる社員のことを呼び捨て

これらの行為は、Xさんが会社の規律や風紀に従うことができないことを示すものであり、会社とXさんとの信頼関係を損なうものでした。会社はこれらの行為を重大な事由と判断し、Xさんの内定を取り消しました。

Xさんはこれに不服として裁判所に提訴しました。Xさんは以下のように主張しました。

  • 内定の取消しは違法だ。
  • 私は社員だ(地位確認請求といいます)
  • 判決確定までの給料を払ってほしい

しかし、裁判所はXさんの主張を退けました。裁判所は以下のように判断しました。

  • Xさんの行為は重大な事由に当たる。
  • Xさんはまだ勤務開始日前であり、正式に社員ではない。
  • Xさんに給料を支払う義務は発生しない。

この判決からわかることは、内定者も正式な社員も同じように雇用契約に基づく権利や義務を持つわけではないということです。内定者はまだ勤務開始日前であることから、雇用契約が完全に発効する前段階であると考えられます。そのため、内定者が雇用契約上保護される範囲や内容は、正式な社員よりも限定的であるということです。

内定をもらったからといって安心してはいけません。内定者は、会社の規律や風紀に従い、会社との信頼関係を築くように努める必要があります。内定者が重大な事由を犯した場合は、内定の取消しや損害賠償請求の対象になる可能性があります。

内定の取消しに関する法的な問題は、雇用契約の成立や効力に関する複雑な問題を含んでいます。内定の取消しに遭った場合や、内定者の行為に問題がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。