プーチンの「右腕」、チェチェンの独裁者カディロフも死んだ？（ニューズウィーク日本版） - Yahoo!ニュース
こんにちは、今日はチェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長の健康状態について話したいと思います。カディロフ首長は、プーチン大統領に忠誠を誓う強権的な指導者として知られていますが、最近は彼の健康状態についてさまざまな噂が飛び交っています。重病説や死亡説も報じられており、真相は不明です。カディロフ首長の健康問題は、チェチェンやロシアの政治情勢にどのような影響を与えるのでしょうか。
カディロフ首長は、2007年からイスラム教徒が多数派を占めるチェチェン共和国の首長を務めています。圧政で知られ、複数の国際団体から人権侵害や弾圧を行っていると非難されています。カディロフ首長の配下にあるチェチェンの特殊部隊は、ウクライナでの戦争でロシアのために戦い、重要な役割を果たしています。しかし、カディロフ首長自身は、プーチン大統領の名前こそ出さないものの、ウクライナ侵攻を頻繁に批判してきました。
こうしたなか、ウクライナ国防省情報総局のアンドレイ・ユソフ報道官が先週、ベラルーシのニュースサイト「Nexta（ネクスタ）」に対して、カディロフ首長が「しばらく前から」「全身性の健康問題」を抱え体調不良だと述べたことをきっかけに、その健康状態についてさまざまな噂が囁かれるようになりました。
ウクライナのニュースサイト「Obozrevatel（オボズレバテル）」は、カディロフ首長が昏睡状態に陥って、治療のためロシアの首都モスクワに搬送されたと報道しました。9月18日には、カディロフ首長が腎臓移植を受けて「重体」だと報じました。
9月上旬には、ロシアの治安情報に詳しいテレグラムチャンネル「VChK-OGPU」がロシア治安当局の内部情報として、カディロフ首長は主治医に毒を盛られたと考えていると主張しました（同サイトはこの主張について証拠を提示していません）。同チャンネルによれば、健康状態が突然悪化したことについて、カディロフ首長は主治医のエルハン・スレイマノフが自分に毒を盛ったと糾弾しました。複数の情報筋の話として、スレイマノフはその後「生き埋めにされた」可能性もあると伝えましたが、証拠は何もありません。
ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問は9月17日、X（旧ツイッター）への投稿の中で、カディロフ首長が「既に死亡している」と言う者もいれば、彼が「重篤な腎不全か毒を盛られたことにより」昏睡状態に陥っていると考える者もいると述べました。
このほかにも、カディロフ首長が死亡したとする未確認の報道が複数あります。チェチェンの人権活動家アブバカル・ヤングルバエフは17日、自身のテレグラムチャンネルに「カディロフ首長が死亡した」と投稿しましたが、それ以上の情報は提示しませんでした。22万4000人超の登録者を持つあるロシア語のテレグラムチャンネルは17日、カディロフ首長が週末に死亡したと投稿しました。ウクライナの報道機関も同日、カディロフ首長が16日夜に死亡したと報じましたが、それを裏づける証拠は示しませんでした。
カディロフ首長の健康状態については、公式な発表や確かな情報源がなく、噂や推測に頼らざるを得ません。しかし、彼が重病や死亡であれば、チェチェンやロシアの政治情勢に大きな影響を与える可能性があります。カディロフ首長はプーチン大統領に忠誠を誓っていますが、彼自身も強力な権力基盤を持っており、チェチェンでは独自の法や秩序を敷いています。彼が不在になれば、チェチェン内部での権力闘争や分裂が起こる恐れがあります。また、プーチン大統領もカディロフ首長をコントロールすることが難しくなり、チェチェン問題への対応に苦慮するかもしれません。
カディロフ首長の健康状態は、今後も注目されるテーマです。彼の健康問題は、彼自身だけでなく、チェチェンやロシアの未来にも関わっています。私たちは真相を知ることができるでしょうか。
