制作費9000万の低予算アニメが「伝説」に…『パーフェクトブルー』と共鳴した、声優・岩男潤子の“過去”とは（文春オンライン） - Yahoo!ニュース
こんにちは。今日は、私が大好きなアニメ監督のひとり、今敏監督についてお話ししたいと思います。今敏監督といえば、『東京ゴッドファーザーズ』や『千年女優』などの名作を手がけた天才アニメーターですが、残念ながら2010年に早すぎる死を遂げました。しかし、彼の作品は今でも多くのファンに愛されています。その中でも、私が特におすすめしたいのが、彼の初監督作品である『パーフェクトブルー』です。
『パーフェクトブルー』は、アイドルグループ「CHAM!」のメンバーだった主人公・桃井かりんが女優に転身しようとする物語です。しかし、かりんは自分の過去やファンから逃れられず、ストーカーや殺人事件に巻き込まれていきます。現実と幻想が入り混じったサイコスリラーで、観る者を圧倒する衝撃的な映像とストーリーが展開されます。
この作品は、もともとOVAとして制作される予定でした。OVAとは、テレビや映画館では公開されないビデオ専用のアニメのことです。80年代後半から90年代にかけて流行しましたが、多くはアニメファン向けの作品でした。『パーフェクトブルー』もそうしたOVA作品のひとつとして企画されましたが、今敏監督の卓越した才能や本田雄氏などのスタッフの参加によって大化けしました。プロデューサーは急遽、映画化することを決めました。
しかし、映画化することになっても、制作状況は決して楽ではありませんでした。予算や時間は限られており、スタッフやキャストも変更されました。今敏監督は自身のオフィシャルサイトで「パーフェクトブルー戦記」というブログを書いていますが、そこには制作当時の苦労や思いが綴られています。彼は自分の初監督作品に対して、とても真摯に向き合っていました。
そんな『パーフェクトブルー』は、1998年に公開されました。当時はまだインターネットが普及していなかったので、宣伝もあまりされませんでした。しかし、口コミや評判で徐々に人気が広がりました。特に海外では高く評価され、アメリカの名匠ダレン・アロノフスキー監督がリメイク権を買ったり、マドンナがツアーの映像に使ったりしました。今敏監督は、日本のアニメ界のみならず、世界の映画界にも影響を与えたのです。
そして、今年は『パーフェクトブルー』の公開から25年が経ちます。この記念すべき年に、全国劇場でリバイバル上映されることになりました。9月15日から始まるこの上映は、今敏監督の追悼企画として行われます。今敏監督の他の作品も同時に上映されますが、私はやはり『パーフェクトブルー』を見たいと思います。この作品は、今敏監督の才能の原点であり、彼の魂が込められた作品だからです。
『パーフェクトブルー』を見たことがない方も、ぜひこの機会に劇場で体験してみてください。あなたはきっと、今敏監督の世界に引き込まれることでしょう。そして、もし劇場でパンフレットを買うことができたら、それはとても貴重なものです。なぜなら、1998年版のパンフレットは、たった8ページのシンプルなものでしたが、今では中古で高値がついています。それは、この作品がどれだけ愛されているかの証拠なのです。
以上、今敏監督の初監督作品『パーフェクトブルー』についてお話ししました。私はこの作品を何度も見ていますが、毎回新しい発見や感動があります。今敏監督は残念ながら亡くなってしまいましたが、彼の作品は永遠に私たちを魅了し続けるでしょう。彼に感謝しながら、私はこれからも彼の作品を見続けたいと思います。
