中国が米テスラに“撤退圧力” 企業が再考すべき「チャイナリスク」とは（ITmedia ビジネスオンライン） - Yahoo!ニュース
こんにちは。今回は、電気自動車大手のテスラが中国市場で直面している困難な状況と、それに対する対策についてお話ししたいと思います。テスラは中国政府から特別な優遇を受けて上海にギガファクトリーを建設しましたが、その後、品質問題やデータ漏洩の疑惑、反米感情の高まりなどによって中国での評判や販売が低下しました。テスラは中国市場の重要性を認識しつつも、自社のブランドや技術を守るために、中国政府や消費者との関係を慎重に管理しています。この記事は、テスラの事例から日本企業が中国リスクに対処するために学べる教訓を提供しています。
まず、テスラが中国市場で直面している困難な状況について見てみましょう。テスラは2014年から中国で販売を開始しましたが、その当時はまだ高級輸入車として認知されていました。1しかし、2018年に上海にギガファクトリーを建設することで、中国政府から25％の自動車税や合弁会社ルールなどの免除を受けました。これにより、テスラは中国国内で生産したモデル3やモデルYを安く販売できるようになりました。また、上海当局はテスラに15％の法人税率も認めました。2これらの優遇措置は他の外国自動車メーカーには与えられていませんでした。
しかし、テスラが中国市場で急成長する一方で、様々な問題も発生しました。まず、品質問題です。テスラは2020年から2021年にかけて、モデル3やモデルYのブレーキやサスペンションなどの不具合や欠陥が多数報告されました。これらの問題は消費者から苦情や訴訟を引き起こしました。また、2021年4月には上海の自動車展示会で、テスラの車に乗っていた女性がブレーキが効かないと叫びながら抗議するという事件が発生しました。この事件はSNSで拡散され、テスラの品質に対する信頼を失墜させました。
次に、データ漏洩の疑惑です。テスラは自社の車に搭載されたカメラやセンサーなどのデータを収集していますが、これらのデータがどこに保存されているか、どのように利用されているかについては不透明です。中国政府は、テスラのデータが米国に送られている可能性があるとして、テスラの車を国家機密や安全に関わる施設から排除するという措置を取りました。また、中国政府はテスラに対して、データを中国国内で管理するように要求しました。テスラはこれに応じて、中国国内でデータセンターを設立すると発表しましたが、その実態や効果については不明です。
さらに、反米感情の高まりです。テスラは米国企業であり、イーロン・マスクは米国市民です。米中関係が悪化する中で、テスラは中国での反米感情の影響を受ける可能性があります。実際に、2021年3月には、中国人民解放軍の空軍将校が自身のSNSでテスラを批判し、ボイコットを呼びかけるという事件が起きました。この事件は中国のネットユーザーからも賛同を得て、テスラへの不信感や敵対感を煽りました。
