『らんまん』なぜ史実とは異なる選択に？ 万太郎が挑む“戦わない”という人類最大の難題（リアルサウンド） - Yahoo!ニュース
NHK連続テレビ小説『らんまん』は、明治時代の植物学者・万太郎（神木隆之介）の物語を描いています。第22週では、万太郎が台湾への視察に行きますが、日本の統治に疑問を抱き、台湾の人々と台湾の言葉で接します。また、新種の植物・オーギョーチの学名にも台湾の言葉を使います。これは、万太郎が世界に対して「戦わない」姿勢を見せていることを示しています。
万太郎は、日清戦争に勝利した日本が台湾を統治し、台湾で台湾の言葉を使用することを禁じているという状況に納得できません。彼は、台湾の人々の文化や歴史を尊重し、彼らと対等にコミュニケーションを取ろうとします。彼は、ピストルも携帯せず渡航し、現地では日本語を話すように言われているにもかかわらず台湾の人に台湾の言葉で話しかけます。彼は、自分が日本人であることを隠さず、でも自分が日本人であることを強調することもしません。彼は、自分が植物学者であることを前面に出し、植物に興味を持つ人々と交流します。
また、万太郎は、新種の植物・オーギョーチの学名に台湾の言葉を使用します。これは、オーギョーチが台湾固有の植物であることを認めるとともに、台湾の言葉が科学的な価値を持つことを主張することです。万太郎は、自分のやっていることが世界的な主流ではないことを承知していますが、それでも自分の信念に従って行動します。彼は、自分が発見した植物に対して責任を持ち、その名前にも意味を込めます。
このようにして、万太郎は世界に対して「戦わない」姿勢を見せています。彼は、世界の圧倒的な脅威や国力増強という言葉に惑わされず、自分の目で見たものや感じたものに忠実です。彼は、自分が日本人であることや植物学者であることを誇りに思いますが、それだけで他者を見下すことはしません。彼は、「戦わない」ことで、「戦う」ことよりも難しい人類最大の課題に挑んでいます。
