鳩山元首相「汚染水には放射性物質に加え、金属腐食による多量の不純物が含まれ、海洋生態系への悪影響が極めて深刻」は誤り【ファクトチェック】（日本ファクトチェックセンター） - Yahoo!ニュース
こんにちは、今日は福島第一原子力発電所の「汚染水」問題についてお話ししたいと思います。この問題は、国や東京電力が事故によって発生した高濃度の放射性物質を含む水を、トリチウム以外の放射性物質を除去した上で海洋に放出するという計画を発表してから、国内外で大きな議論を巻き起こしています。
この計画に反対する人たちの中には、元内閣総理大臣の鳩山由紀夫氏もいます。鳩山氏は2023年8月26日にツイッターで、「汚染水には放射性物質に加え、金属腐食による多量の不純物が含まれ、海洋生態系への悪影響が極めて深刻」と投稿しました。このツイートは多くの人に拡散され、表示回数は82万回を超えました。
しかし、この発言は事実に基づいていないことが分かりました。日本ファクトチェックセンター（JFC）が調査したところ、以下のような事実が明らかになりました。
- 「汚染水」には金属腐食による不純物が含まれているが、「ALPS処理水」にはほとんど除去されている。
- 「ALPS処理水」は放射性物質以外の化学物質も測定されており、福島県条例や国の法律で定められた基準値以下であることが確認されている。
- 国際原子力機関（IAEA）は「ALPS処理水」の放出が人々や環境に及ぼす放射線影響は無視できる程度であると結論づけている。
つまり、「ALPS処理水」は放射性物質や不純物が十分に除去された安全な水であり、海洋生態系に深刻な影響を与える可能性は低いと言えます。鳩山氏の主張は科学的根拠に欠けており、不安や誤解を招く恐れがあります。
私たちは、「汚染水」問題を正しく理解するために、信頼できる情報源から事実を確認することが大切だと思います。JFCでは今後もこの問題に関するファクトチェックを行っていきますので、ぜひご覧ください。
