子どもが感情の爆発を起こすと、親はどう対応すればいいのでしょうか。そんな悩みに答えてくれるのが「PCIT」という親子相互交流療法です。この記事では、PCITの基本的な考え方と、親子のアタッチメントを育むためのスキルについて解説します。
PCITは、問題行動の目立つ子どもと育児に悩む親のための治療法です。親子で一緒に遊びながら、専門家からコーチングを受けます。その中で、親は子どものアタッチメント行動に気づき、それに応える方法を学びます。アタッチメント行動とは、子どもが世話をしてくれる人に寄り添ったり、関心を引こうとしたりする行動です。アタッチメント理論では、この行動が親子の絆を深めると考えられています。
PCITでは、親は以下の4つのスキルを身につけます。
- 子どもの良いところや気持ちを言葉で伝える
- 子どもが自分で考えて行動することを促す
- 子どもがかんしゃくを起こしたときに落ち着かせる
- 子どもが親の言うことを聞くようにする
これらのスキルは、子どもの発達段階に合わせて変化します。2歳までの子ども向けに開発された「PCITトドラー」では、予防に重点を置いています。問題行動をなくす前に、子どもの安定したアタッチメントを育成し、発達の足場を作ることが目的です。
PCITは、子どもだけでなく親自身の感情コントロールにも役立ちます。親は自分の感情や考え方に気づき、ストレスや不安を減らす方法を学びます。また、自分の子育てに自信を持つことができます。
PCITは、幼児期のメルトダウンに効果的な治療法です。親子のアタッチメントを育むスキルを身につけることで、子どもは感情コントロールや社会性を身につけ、親は子育てに楽しみや充実感を感じることができます。PCITは日本でも普及しつつあります。興味がある方はぜひ試してみてください。