145万年前、ケニア北部の遺跡で発見された脛骨には、肉を切り離す処理がなされたことを示す切り痕が残っています。これは、ヒト族が共食いをしていた最古の証拠となる可能性があります。論文は2023年6月26日付けで学術誌「Scientific Reports」に発表されました。
この行為は食料を必要としていた人々によって行われた可能性が高いと語るのは、論文の筆頭著者である米スミソニアン国立自然史博物館の古人類学者ブリアナ・ポビナー氏です。「飢えた人々が、空腹を満たすために死んだ人間を食べていたのです」。
これらのヒト族はおそらく互いに似たような見た目をしており、肉を骨から削ぎ落とした側は、自分たちが食べる相手が誰であるかを気にしなかっただろうと氏は指摘しています。
