【緊急連載2】なぜ阪神の岡田監督は日本S第6戦から梅野隆太郎をベンチ入りさせたのか…“恐怖の8番打者”木浪聖也誕生の知られざる決断（RONSPO） - Yahoo!ニュース
阪神がオリックスとの日本シリーズを4勝3敗で制して日本一に輝いた。1レギュラーシーズンで18年ぶりにセ・リーグ優勝し、38年ぶりに日本一も達成した。2岡田彰布監督（65）はいかにして阪神を変えたのか。3緊急連載で知られざる背景に迫った。4
岡田監督は、開幕から梅野隆太郎を主力捕手として起用し続けた。梅野は、強肩と打力に加えて、8番打者として起用された木浪晋吾の成長にも大きく影響した。木浪は、打率.267、41得点、41打点、出塁率.320、得点圏打率.310の成績を残し、リーグ1位の555得点を生み出す打線を支える“影のMVP”となった。5
しかし、8月13日のヤクルト戦で梅野は死球を受けて左尺骨を骨折し、戦列を離れた。6その後、坂本誠志郎が捕手として攻守にわたる素晴らしい活躍を見せたが、岡田監督は梅野の復帰を待ち続けた。日本シリーズの第6、7戦では、梅野をベンチ入りさせて、代打の切り札や坂本の控えとして用意した。梅野は出場機会はなかったが、チームの士気を高める存在だった。
岡田監督は、日本シリーズでも、不振だった森下暢仁やサトテルにチャンスを与え続けた。第7戦では、7－0で迎えた9回に岩崎優を投入する前に、桐敷裕太をまず最初にコールした。7岡田監督の采配には、時折、“情”が見え隠れする。8その“情”は、選手たちに「岡田監督は野球を知っている」と尊敬の念を抱かせ、監督との信頼関係を強いものにした。9
阪神の日本一は、岡田監督の野球に対する知識と情熱、そして選手たちのチームワークと個性の融合によって成し遂げられた。梅野や木浪、岩崎や桐敷など、岡田監督が起用した選手たちは、それぞれにサプライズを起こし、ファンを驚かせた。岡田監督は、阪神を変えるだけでなく、阪神を愛する人々の心も変えたのだ。
