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 習近平の治水プロジェクト「海綿都市」は本当に効果があるのか?

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巨額予算だけを吸い込んで水害には役に立たなかった習近平主導の防災プロジェクト「海綿城市」、壮大な手抜きの実態(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

こんにちは。今回は、中国で話題になっている治水プロジェクト「海綿都市」について取り上げたいと思います。

海綿都市とは何か?

海綿都市という言葉を聞いたことがありますか?これは、中国政府が2015年から推進している治水プロジェクトの名称です。そのコンセプトは、雨水を自然に貯留し、浸透させ、浄化することで洪水を防ぎ、再利用するというものです。つまり、スポンジのように水を吸収する能力を持つ都市を作ろうということです。

このプロジェクトの背景には、2012年に北京で発生した大規模な水害があります。この時、北京市内では1951年以来最強の豪雨と最悪の洪水に見舞われ、79人が死亡し、160万人が被災しました。この災害を受けて、習近平総書記は治水を重視する姿勢を示し、「海綿都市」の建設を提唱しました。

海綿都市はどこで建設されているか?

海綿都市の建設は全国的なスケールで行われています。2015年から2016年にかけて、済南市や武漢市など30都市が実験都市として選ばれました。その後も多くの都市が名乗りを上げて海綿都市の建設を実施しました。現在では400か所以上の都市が海綿都市の建設を行っていると言われています。

海綿都市の建設には巨額の予算が投入されています。例えば、武漢市では2020年までに約3000億円、深圳市では2022年までに約5000億円、上海市では2020年までに約1兆円もの予算が計上されています。これらの予算は主に国家や地方政府からの補助金や債券発行などで賄われています。

海綿都市は本当に効果があるのか?

海綿都市の建設は、習近平総書記の治水に関する重要論述を深く学習し貫徹するという書籍が出版されるほどに、国家プロジェクトとして重視されています。しかし、実際には海綿都市の効果については疑問が多く、批判も強まっています。

まず、海綿都市の建設は、雨水を貯水するための施設や設備を都市の各所に設置することで行われます。しかし、これらの施設や設備は、建設コストが高く、メンテナンスも大変です。また、雨水を貯水することで、地下水位が上昇し、地盤沈下地震のリスクが高まる可能性もあります。

次に、海綿都市の建設は、洪水を防ぐという目的で行われますが、実際には洪水を防げていないという事例が多く報告されています。例えば、2016年には実験都市のうち10都市で冠水が発生しました。2018年には済南市や武漢市などで大規模な水害が発生しました。2020年には長江流域で100年に一度と言われる大洪水が発生しました。これらの事例から、海綿都市の建設は洪水を防ぐ効果が低いと言わざるを得ません。

さらに、海綿都市の建設は、雨水を再利用するという目的で行われますが、実際には雨水の再利用率は非常に低いというデータがあります。例えば、2019年に中国科学院が発表した報告書では、実験都市のうち16都市の雨水再利用率は平均で3.4パーセントしかなく、最高でも12.5パーセントだったということです。これでは、海綿都市の建設は雨水を無駄にしていると言っても過言ではありません。

最後に、海綿都市の建設は、気候変動に対応するという目的で行われますが、実際には気候変動によって海綿都市自体が脅かされているという現実があります。例えば、中国では近年渇水や干ばつが深刻化しており、雨水が不足しています。また、海面上昇や台風などの自然災害も増加しており、沿岸部の都市は浸水や侵食などの危険にさらされています。これらの現象は、海綿都市の機能を低下させるだけでなく、海綿都市そのものを破壊する可能性もあります。