ビッグモーターは、中古車の買い取りや修理を行う会社ですが、最近、さまざまな問題が発覚しています。例えば、車の走行距離を改ざんしたり、修理の見積もりを不正に高くしたり、顧客の個人情報を悪用したりといった不正行為が明るみに出ています。これらの問題によって、同社は多くの顧客から信頼を失い、業績も悪化しています。
しかし、資産1億円以上を貯めるようなお金持ちにとっては、ビッグモーターは最初から選択肢に入っていなかったかもしれません。なぜなら、お金持ちはビッグモーターのビジネスモデルに疑問を持っていたからです。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは、「平均年収や最高年収を見れば、同社のビジネスは普通のやり方では数字が合わないことが明らか。お金持ちはそれに気づいて、避けていた人もいたはず」と語っています。
お金持ちはどうしてビッグモーターのビジネスに疑問を持ったのでしょうか。それは、以下の3つの理由が考えられます。
- そもそも買い取りで高く売ろうという発想がない
- 給与の2倍以上の粗利を稼がなければ成り立たない
- 他社と比べて異常に高い粗利率
まず、お金持ちはそもそも買い取りで高く売ろうという発想があまりないということです。お金持ちは車を購入するときには長期的な視点で考えています。車は資産ではなく負債であるということを知っているからです。車は購入した時点で価値が下がり始めますし、維持費や税金もかかります。そのため、お金持ちは車を10年以上乗り続けて乗り潰す人が多く、買い取りで高く売ることはあまり考えません。
次に、お金持ちはビッグモーターの社員が高額な給与をもらっていることに疑問を持っています。一般的な企業では、給与の2倍以上の粗利（売上から原価を引いた金額）を稼がなければ経営が成り立ちません。しかし、ビッグモーターでは平均年収が1109万円で最高年収が4600万円だということです。これは中古車販売業としては異常に高い水準です。仮に粗利率が30％だとすると、年収4000万円の社員は年間2億6000万円以上の売上を上げなければなりません。これは月に7台以上の300万円の中古車を売ることに相当します。お金持ちはこの数字に違和感を覚えます。
最後に、お金持ちはビッグモーターの粗利率が他社と比べて異常に高いことに気づきます。中古車小売業の一般的な粗利率は10％から20％程度ですが、ビッグモーターの粗利率は40％以上だということです。これはどういうことかというと、ビッグモーターは他社よりも高く仕入れたり、安く売ったりしているということです。つまり、顧客に不利な取引をしているということです。お金持ちはこのことに気づいて、ビッグモーターに車を持ち込まないようにします。
以上のように、お金持ちはビッグモーターのビジネスに疑問を持っていたので、同社を避けていた可能性が高いです。お金持ちになるためには、車の買い取りや修理に関しても、数字や事実に基づいて判断する能力が必要です。ビッグモーターの問題は、私たちにそうした能力を養うきっかけを与えてくれるかもしれません。
