こんにちは、今日は国産初のジェット旅客機MRJの開発が中止されたことについてお話ししたいと思います。MRJは三菱航空機が開発していた小型の旅客機で、日本の航空産業の夢と期待を背負っていました。しかし、設計変更や型式証明の遅れなどで計画は何度も延期され、ついに2023年2月に開発中止が発表されました。このプロジェクトはなぜ失敗したのでしょうか？
MRJの元社長である川井昭陽氏によると、MRJの計画が破綻した原因は「たった1枚の書類のため」だと言います。その書類とは、旅客機の安全性を証明するために必要な型式証明書です。型式証明書を取得するには、各国の航空当局から厳しい審査を受けなければなりません。川井氏は、三菱重工が1980年代に開発したビジネスジェット機「MU-300」の型式証明も経験していますが、そのときはアメリカ人の技術者から多くの助けを受けたと言います。しかし、MRJでは日本人だけで型式証明を取ろうとしたことが失敗の一因だったと語ります。
川井氏は、MRJの技術者たちが「謙虚さに欠けていた」と指摘します。彼らは自分たちの技術力に自信を持っていましたが、型式証明に必要な知識や経験は不足していました。また、アメリカ人やヨーロッパ人など外国人の技術者と協力することも苦手でした。その結果、型式証明のプロセスは遅れに遅れ、コストも膨らんでいきました。
MRJは日本の航空産業にとって大きな挑戦でしたが、残念ながら成功には至りませんでした。しかし、この失敗から学ぶべきことは多くあります。例えば、国際的な協力やコミュニケーションの重要性、型式証明や規制への理解や対応力などです。MRJは夢では終わりません。これからも日本の航空産業が新たな飛躍を目指して頑張ってほしいと思います。
