こんにちは。今回は、2023WBCで見事世界一に輝いた侍ジャパンの決勝・アメリカ戦の舞台裏と、選手たちの素顔について、城石憲之コーチが語った本『世界一のベンチで起きたこと 2023WBCで奔走したコーチの話』（ワニブックスPLUS新書）を紹介したいと思います。
2023WBCは、日本が初めて開催した世界野球選手権大会です。日本は予選から決勝まで全試合に勝利し、無敗で優勝を果たしました。その中でも、最も印象的だったのが、決勝・アメリカ戦です。アメリカは、メジャーリーグのトッププレイヤーが揃った強豪チームでした。しかし、日本は、チームワークと熱い闘志でアメリカを下しました。
この試合の前後には、多くのドラマがありました。その一部を、城石コーチが目撃した証言から紹介します。
まず、試合前のロッカールームでの声出しです。ここで、大谷翔平選手が落ち着いた声で言った言葉が印象的でした。「僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」。これは、栗山英樹監督が合宿初日に言った「ベースボール発祥の地アメリカに勝とう」という言葉を、大谷選手が自分の言葉で語ったものだと思います。メジャーでトップの場所にいる大谷選手が引っぱるチームなら、必ずアメリカに勝てるという気持ちになりました。
次に、試合中のベンチです。ここでは、城石コーチが作戦や指示を伝える役割を担っていました。しかし、それだけではなく、選手たちとコミュニケーションを取りながら、彼らの気持ちや状況を把握していました。例えば、村上宗隆選手はキャッチャーとして先発出場しましたが、打撃では苦戦していました。そこで、城石コーチは村上選手に「お前はキャッチャーだから打撃なんか気にするな」と励ましました。すると、村上選手は「わかってます」と笑顔で答えました。その後、村上選手は守備では見事なリードや送球を見せました。
最後に、試合後の祝勝会です。ここでは、選手たちが自由に飲んだり食べたりしながら、感想や思い出を語り合っていました。城石コーチも参加しましたが、彼はあまり酒が飲めないので、水を飲んでいました。すると、ダルビッシュ有選手が「水飲んでるの?」と声をかけてきました。城石コーチは「酒は飲めないんです」と答えました。すると、ダルビッシュ選手は「じゃあ、これ飲んでみて」と自分のグラスを差し出しました。城石コーチは「これは何ですか?」と聞きました。ダルビッシュ選手は「水だよ」と言いました。城石コーチは信じて飲みましたが、それは水ではなく、ウォッカでした。城石コーチは「うわっ!」と叫びましたが、ダルビッシュ選手は大爆笑しました。その様子を見た他の選手たちも笑っていました。
このように、2023WBC決勝・アメリカ戦では、侍ジャパンの選手たちが一致団結して、強敵を倒しました。しかし、それだけではなく、彼らは人間的にも魅力的な姿を見せてくれました。城石コーチの証言から、彼らの素顔や人間関係を垣間見ることができます。この本は、野球ファンだけでなく、人間ドラマに興味のある方にもおすすめです。
以上、『世界一のベンチで起きたこと 2023WBCで奔走したコーチの話』（ワニブックスPLUS新書）の紹介でした。
